fc2ブログ

最高の告白 後編

2007–10–14 (Sun) 23:48
『ケータイでは見れないから分割してください』と要望があったので。
内容には変化が無いので^^



今日の終わりを告げるベルが鳴らされる。
しかしながらあんまり嬉しくない。
外では天気が悪くなっていた。この状態だといつ雨が降ってもおかしくない。
でもその天気はまるで俺と魅音の心を表すようだった。
「園崎さん。ちょっといいですか?」
知恵先生の呼びかけに魅音はすぐさま先生の元へ向かった。
その時の移動には何もおかしな部分はない。いつもの魅音そのものだ。
しかしそれは外で。きっと中では辛いことになってたんだろう。
胸がぎゅっと締め付けられるのを感じた。
「圭一君、どうしたの?」
のん気に魅音を見ていた俺にレナは心配そうに俺を見ていたことに気づく。
どうやら考えが顔に出てしまったらしい。相変わらず隠し事が下手な自分に苦笑いした。
「ちょっと考えごとをな」
「魅ぃちゃんのことかな?かな」
まったく。レナには全て筒抜けか。
このような話だとレナの勘は恐ろしいほど当たる。そう言う部分がなんだかお母さんをイメージさせたりする。
「ああ。あいつ、いつも弱い部分を隠すからな。見てて不安なんだよ」
「うん。分かる気がする」
「そんなあいつを見てるとさ、ボロボロに見えてしょうがないんだよ。まるでいつ崩れるか分からない足場みたいにそこらじゅう傷だらけ。
その姿を見るのが・・・・とても・・・・・」
「圭一君・・・・・」
「前の俺ってそのことに気づけなかった。でも気づけても俺は何も出来ない。
あいつに何をしてやればいいのか分からない。不安で不安でしょうがないんだ」
自分の心境を告白する間、レナは真剣に聞いてくれた。
一文字一文字聞き逃さないようにして俺の話に頷いてくれた。
「圭一君・・・・魅ぃちゃんが好きなんだね」
心のそこからそう思ったレナは俺を励ますように笑った。
俺は『ああ』と頷いてレナの顔を見た。
「なら大丈夫だよ。圭一君は魅ぃちゃんの事がわかってる。あとどうするかは圭一君次第だよ」
レナはそれだけ告げ俺の元から去った。
レナの後ろ姿はとても大きい。本当に人のことを心のそこから理解できてる。
将来、きっと先生にでもなるんじゃないかと思わせた。
「レナ、ありがとう」
鞄を持って教室を出ようとした瞬間、レナはこちらに振り向き微笑んで帰っていった。







帰る気にはなれなかった。
その理由は魅音だった。
朝とは違って、昼に梨花ちゃんと話してからあいつのことが心配で心配でしょうがなくなっていた。
何回も言うが本当に心配だ。気を抜くといなくなってしまいそうで、あいつは何をしでかすかも分かったものじゃない。
もう頭の中はあいつのことでいっぱいになっていた。今の俺の頭は不安の塊と言ってもいいだろう。
知恵先生に呼ばれてからもう二十分が経とうとしていた。
外では雷の音が聞こえてきた。帰る頃には豪雨だろう。
はぁ~と何回か分からないほどした溜息がまた出た。
ガラリ、とため息をして数秒後に扉が開いた。
「けい・・・ちゃん・・・・」
音に反射して扉の方を向くとそこにいたのは魅音だった。
だがさっきまでいた隠し事をするような魅音ではなくなっていた。
「・・・・レナは・・・・?」
「今日は豪雨だから部活はなしにしておこう、って言ったのは魅音だろう?
だからあいつはそういうことだから先に帰った」
「じゃなくて、なんで圭ちゃんだけが・・・」
「俺は魅音が心配だった。そう言うことを聞きたかったんだろう」
そう聞くと魅音は俺から顔を逸らした。
その瞬間、俺は理解した。魅音は俺を避けていた。
「俺のこと、嫌いか?」
え?、と驚いた表情をしながら俺の顔を再度見た。
「嫌いなのか?」
「・・・・・違う・・・・嫌いじゃない」
震える声に俺は胸が締め付けられて苦しい。
「じゃあ、好きか?」
「・・・す・・・・き・・・・だけど」
「俺を巻き込みたくない。園崎家の闇には俺を巻き込みたくない。そうだろ?」
顔を伏せ魅音は頷いた。もう声も出せないだろう。
涙を抑える声で精一杯だとわかっていた。
「じゃあ白黒はっきりさせようぜ」








連れてきたのは倉庫。
今日みたいな日は本当なら教室などがいいんだがここ最近魅音の受験のことで知恵先生が夜まで学校にいる。
そう言うわけでここにしように考えたのだ。
倉庫は体育の時間以外はまったくと言ってもほど使われていない。
鍵も閉まってるわけでもないしここに用のある人なんてほとんどいない。
誰にも邪魔されない場所としてはいい場所であった。
「圭ちゃん・・・・?」
不思議そうに俺を見る魅音。しかし不安だと顔が告げていた。
「悪いな。ここじゃないといけないんだ」
「えっ?」
「魅音。背中、見せてくれ」
その瞬間、魅音の表情は凍り付いた。
まるで時間が止まったかのようだと言う表情は魅音の驚きと恐怖、そして絶望が表されていた。
「な・・・・ん・・・で?」
「はっきりさせたいんだ。いずれ見なくてはいけないものならさ、早めに見ておきたくて。
それに、俺に刺青を見せるのが辛いんだろ?なら今ここでその不安を取り払ってやるよ」
辛いなんて分かってた。この選択は魅音を確実に傷つけるとわかっていた。
でも俺はこの選択に間違いはないと断言できた。
「ダメだよ。圭ちゃんには・・・・」
今にも逃げ出しそうな声で魅音は言う。
いや、逃げようとしてる。扉は魅音の背にあった。
「ごめん」
予想通り、魅音はすぐさま回れ右をして扉から出ようとする。
でも俺はそうすると予想していたからすぐに魅音を抱きしめた。
「・・・・圭ちゃん。ダメだよ」
「ダメなもんか。大丈夫さ」
「ううん。わかってない。圭ちゃんには何もわかってないよ」
「・・・み、魅音」
魅音の顔を見てみると涙を流していた。
辛そうにしている表情に手の力が緩みかけるが再度力を加えた。
きっと今のまま魅音を逃がしたらもう立ち直れないだろう。
ここまで言ったんだ。もう、後には戻れない。
「私は次期頭首の宿命を背負ってる。それはどれだけ重くて苦しいことかまだわからないけど、私はこれを背負っていく宿命にあるんだよ。
だから、これは私の問題。圭ちゃんには関係ないよ」
「・・・・・・・馬鹿だよ、お前」
「うん。馬鹿だよ。だから、圭ちゃんには見せられない」
涙を流しながらも必死に辛いことを言う魅音を見てられなかった。
こんなに、弱いのに魅音は一人で全てを背負い込もうとしている。
「でも、俺も馬鹿だな」
「えっ??」
でももう魅音は一人じゃないんだ。ちゃんとした支えがたくさんいる。
それを、伝えることが俺の選択だった。
「例えそうだとしても俺は付きまとうぜ。一生、死ぬその瞬間まで俺は魅音を助けるぜ。
魅音が嫌だと言っても知ったことか。雛見沢全員、いや世界の全てが俺を批判しても俺は魅音を助ける。
だって、俺は魅音が好きだから」
自分の決意を明かして再度魅音を抱きしめ直した。
「圭ちゃん・・・・」
「それに俺だけじゃない。レナも詩音も沙都子も梨花ちゃんも、みんなみんな魅音を助けると思うぜ。だから、魅音一人で背負うな。
自分で言ってただろう?『何かあったら仲間に相談する』
みんなを、俺を頼ってもいいんだぜ。いや、むしろ頼ってくれよ。
それに知らないなら教えてくれよな。そうすれば俺も楽だし」
もう魅音の決意は和らいだだろう。
何故なら魅音は俺に体を預けていた。
最初の頃は逃げようとして俺から離れようとしていたが今はもうおとなしくなって俺の胸に倒れるような体勢でいた。
「きっと後悔するよ。私を好きになったこと、私を支えていくこと圭ちゃんの選択が間違いだった後悔するよ。
まだ、後戻りできるよ?」
この期に及んで魅音はまだ人の心配をしていた。
まあ魅音らしいと言えば魅音らしいが。でも俺の選んだことはもう変えない。
「いいんだよ。後悔なんてしない・・・・と言えば嘘になると思うがこの考えを曲げる気はない。
それに自分の選んだことを変えないのが男ってもんさ」
自分の考えを曲げないと告げて俺は魅音を手放した。





知らない間に外では雨が降り始めていた。
風は強く倉庫の窓は雨に撃たれてがたがたと音をたてていた。
しかも雷の音が少しずつ近づいていたのが今になって分かった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
電気は消してあった。これは魅音の要望だ。
刺青を見せるが鮮明な状態で見せたくはなかったのだろう。
ネクタイがマットの上に置かれゆっくりとシャツのボタンに手を近づけていた。
震える手はこれから見せると言う恐怖を物語っていた。
震えながら上から順に外されていく。
健全な男子の俺ならこの状況は喜ばしいんだがこれからのことを考えると喜びなど皆無だった。
それ以前にここにきて見ていいのかと決意が緩み始めてきた。
「・・・・・・・脱いだよ」
「ああ」
重い空気だ。息をするのが辛い。
緊張か不安かわからない。いや、そんなような感情が混ざり合ってるからだろう。
「じゃあ、見せるね」
行き先を知らない震える声は俺の耳に入る。
正面を向いていた魅音はゆっくりと背を向け始める。

「・・・・・・・・・・これだよ」
俺の目に飛び込んで来たのは鬼の刺青。
園崎家頭首の代々の証。その刺青は園崎家の罪を忘れないように、と言うようなことを鷹野三四から聞いたことがある。
まあ鷹野は今はこの雛見沢にはいない。いたらもっと聞いておきたかったかもしれない。
刺青は鬼を描いていたがなんとなくだがその鬼は女だと感じさせた。
それにしても、羽入に似ている。
ここ数日は風邪で寝込んでいて会っていないが角や体つきは羽入にそっくりだ。
魅音自身が気づいてないのが少し謎だ。多分あまり見たくないから分かってないんだろう。
「綺麗だよ」
「えっ?」
「全然おかしくない。禍々しいとか怖いとか思えない。綺麗だ」
第一印象は綺麗だった。ブラのホックが邪魔で全て見えないのが勿体無い。
こんなに綺麗なのに嫌がっていたのが不思議な部分もあったりしたが、それは魅音の都合もあったから仕方ない。
「強がったり・・・・・・してない?」
「ああ。第一印象を言ったんだが、おかしいか?」
「ううん・・・・・・すっごく・・・・・・・嬉しぃ・・・・・」
嬉しさのあまり体の力が抜けたらしく魅音は膝立ちになった。
涙を流す声が聞こえる。それほど嬉しかったのだろう。
ヒクヒクと体は振るわせるほどの涙はきっと今までの不安を綺麗に流している証拠だった。
「・・・魅音」
俺は優しく背中から魅音を抱きしめた。
肩から手を回して優しく包み込んでやると魅音は俺の手の掴んだ。
「ありがとう。ありがとう」
お礼の言葉を繰り返す魅音の涙を俺は人差し指で優しくはらってやった。
温かい涙は指に流れてそのまま床に落ちた。
その光景はとても美しくて鮮明に頭に残るだろう。ただ暗いのが少々勿体無かったが。
「魅音、これで正式に付き合ってくれるな?」
「うん、うん。もちろんだよ」
魅音の顔の横から顔を出す。すると魅音は涙を拭いて俺に微笑んでくれた。
その笑顔は前見た暗い表情ではなく明るい太陽を思わせる可愛い微笑だった。
「ねぇ、もう一度最初からやろう」
「やろうって何を?」
「告白」
こんなに明るい表情を見せながら言われるといいえなど言えるはずはなかった。
笑顔で頷くと顔との距離が数cmしかない状態で再度告白する。
「魅音、好きだっ!前からずっと好きだった」
「うん。私も圭ちゃんが好きっ!ずっとずっと前から好きでした」
「魅音、お前を幸せにする。それに俺は魅音とずっと一緒にいたい。だから付き合ってくれ」
「はい!喜んでっ!」
互いに満面の笑みで愛を語り合った。
これはあの時出来なかった最高の告白。
「そう言えば、あの時は出来なかったよな?」
「へ?何をさ」
「キス」
ニヤリと不敵に微笑むと魅音は顔を真っ赤にした。
さっきまで告白と言う恥ずかしいことをしておきながらキスの方が恥ずかしいとはな。
いつもはこんなに元気なのに時折見せる女の子らしい部分に俺は惚れた。
この時の魅音は可愛くて愛しくなる。でもいつも男っぽい魅音も愛しい。
まあ、結論から言うと双方の魅音を見てしまったから惚れてしまったのだろう。
でも、この結果は本当に一番の選択かはわからない。
この世には間違いなどない。その代わり正解も存在しない。判断するのは人だから。
だから俺はこう判断する。この結果に間違いはない。

真っ暗な倉庫の中、俺は後ろから抱きしめながら。
彼女は俺の手を握りながら。
新しい道を進む道しるべ。
この先は二人の世界。
どんな結末が待っていようと嘆かない。
だってこれは俺が決めたことなんだから。
「魅音」
「圭ちゃん」
目を瞑って互いを吸い込むように口付けを交わした。









かなりずれたTT
すいません、全然萌えないですね。逆に暗くなりすぎた気がしますorz
色々苦しい時に書いたので矛盾は流してくれたら幸いです><
スポンサーサイト



« 最高の告白 前編 | HOME |  祭囃し編 其の弐 蠢き »

コメント

コメントの投稿

 
管理者にだけ表示

 | HOME | 

FC2カウンター

最近の記事

最近のコメント

月別アーカイブ

カテゴリ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール

キラ

Author:キラ
中二病の同人大好きな変態。アニメよりゲーム派。
07th作品はうみねこよりもひぐらし。
いまだに圭魅が大好き主張は変わらず。
創作活動は別館で進行中。

カレンダー

03 | 2024/04 | 05
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

リンク

リンク

参加中同盟

ひぐらしのなく頃にWebRING

貰い物

わけあい:18禁圭詩×魅マンガ ヂャイロ