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12月31日 第一話 双子

2007–12–26 (Wed) 23:44
最初は詩魅です☆
なんだか書きたくなったので書いたのですが、大晦日ネタにorz
詩音をお姉さんキャラにしたんですがどうだか。
来年はこうやって増やすぞ!!!



今日は大晦日。今年最後の日だ。
来年からは昭和59年になる。まあそんなことは私にとってはどうでもいいことだ。
年が変わっても何かが変わるわけじゃない。そう……思ってた。
「はぁ~今年も終わりか」
溜息をつきながら私は部屋にこもっていた。家では年越しの飲み会が行なわれているがどうにも出る気にはなれなかった。
今年もあと数時間で終わりか、と思った。自然に悲しくなった。
色々あった今年。たぶん、それは私以外ではなく雛見沢の住人みんなに言えることだった。
「6月からもう半年が経つのか・・・」
言葉にしてみて改めてその時の光景が思い出せる。
鷹野三四、東京、雛見沢症候群、梨花ちゃんという存在がどれだけこの雛見沢を変えたかを。
そして・・・
「………………」
言葉が詰まった。
なんでだろうか、よくわからない。ただ、思い出すことがこんなにも…。
「こんばんはお姉。元気ですか?」
「あ、詩音」
覗き込むように、詩音は私に挨拶をした。相変わらずのテンションに少し呆れた。
こいつにはこのノリしかないのかよ。
そんなことを思いながら寝転がっていた体を起こし詩音を改めて見た。
コートにロングスカート。夏からずっとロングスカートの気もしなくないがまあどうでもいいか。
「どうしたのさ、こんな時間に」
「暇だったので少し本家に寄ってお姉の顔でも見ようと思いまして」
『からかいに』の間違いじゃないのか。
でも口には出さない。面倒なのことにあるのを知っているから。
すっかりと夜がくれたこんな時間に詩音が来ることは珍しくない。ただ、大晦日だから沙都子のところにでも行って過ごしていると思っていたから……少し、嬉しかった。
なんだか昔に戻ったみたいだ。『詩音』の頃に…
「…?お姉、一人で笑ってどうしたんですか?」
「別に。ただ…昔のことを思い出して」
「昔…です、か」
言って後悔した。この話題には触れるべきではない、と。
「まあ……懐かしいと言えば懐かしいですね」
苦笑いしながら詩音は私の横に移動してきた。
そして、私に肩を預けるように倒れてきた。
「詩音…?」
「あの頃は……よかったですね」
悲しい詩音の声が聞こえた。
でも口調は『魅音』ではなく詩音のままだった。




あの頃を振り返った。
今思い出すのは少し辛いけど決して嫌いな思い出ではなかった。
「お姉ちゃん。今年もそろそろ終わりだね」
「そうだね。来年になったらすぐに何しようか」
一つの布団を二人で共有しながらコソコソ話していた。
二人で体を密着させてお互いの温もりを感じていた。今も思い出せる。
今現在、もし同じ事をしたらどんなことになるか…想像したくない。
「私はお姉ちゃんに『今年もよろしくお願いします』って言いたいな~」
「へぇ~、じゃあ私はその時に『こちらこそ、お願いします』て言わなくちゃね」
こんな単純なこと。でも今はもう戻れない。いや、戻ってはいけない時代。
誰もこうなれと強要したわけじゃない。
ただこれは私と詩音が決めたこと。
私が魅音の名で詩音の姉になること。それは二人で決めた約束。
何年も何年も守ってきた。そしてこれからも、死んでも。ずっとずっとこれで生きていく。
「来年もいい年になるといいね。お姉ちゃん」
「そうだね。来年は今年よりもずっとずっといい年になるよ」
優しく微笑みながら『魅音』は私、『詩音』の頭を撫でてくれた。
こうしてもらうことがどれだけ幸福であったか思い出すだけで…。
「それじゃあ、お休み。お姉ちゃん」
「うん。お休み、『詩音』」
それが、私たちの最後の年だった。
この翌年に私たちは今の姉妹関係になった。




「「………………………………」」
無言で何も言わない状態が続いた。
魅音が『懐かしい』と言ってから私たちはだんまりだった。
別に怒っているわけでもないし話す内容があるわけではない。
ただ単に話しにくいだけだった。
「…詩音」
「…なんですか?お姉」
魅音は丁寧に私の名前を呼んだ。
「今年は…どうするの?」
そう言われて私は少し黙った。
別に決まっていないわけではない。ただ、言いにくかった。
「……とりあえず、悟史くんのところに一旦行きます。そこで年越し…ですね」
「………」
「そのあとは、沙都子と古手神社に初詣です」
梨花ちゃまを誘おうとしたが断られたことを言う必要は無かった。
梨花ちゃまと羽入さんは二人で古手の仕事をするらしい。なんでも『今年は少しやることが違うのです』と言っていたが。
「そっか…悟史、か」
悲しそうな表情のまま魅音は俯いた。
実はまだ魅音は悟史君に会っていなかった。私が止めているわけではない。
ただ、合わせる顔がないのだろう。次期頭首として、友人として。
本当にこうゆうところは…。
「来年は来てくれますよね?」
「え…?」
「え、じゃあありません。ちゃんと悟史くんのお見舞いに来て下さい。そうすれば悟史くん、きっと喜びます」
「あ……うん」
確信の無い声で魅音は頷いた。
私は確信する。絶対にこいつは来ない、と。
「………そんなに不安なら圭ちゃんと一緒にくればいいじゃないですか?」
「…できないよ。そんなの」
「……………………」
辛いんだと思う。私が何を言っても聞かないと思う。
今の魅音は、自分を責めてる。
溜息が自然に漏れた。でも私はそのことに気づかなかった。
「…何が…辛いんですか?」
答えないと思う。でも訊いてみた。
我ながらおかしなことをしたと思う。
「……悟史、私のことを憎んでるよ」
「…………お姉」
「私、知ってるんだよ。悟史がどれだけ辛かったか。知ってるんだよ嫌ってほどに。
だけど、私は何もできなかった!!頭首としても、友人としても!
それに、園崎家のせいでどれだけ沙都子を苦しめたか。そして悟史自身をどれだけ傷つけ追い込んで病気にかからせたか、知ってるんだよッ!!!」
激しい訴えはどれだけ悲しい想いを曝け出しているのだろう。
私にはわからない。これはきっとあのころの後悔。私以上に悟史と過ごして好きになった、魅音にだからこそわかる重圧。
「だから、だから…こそ。行けないよ。悟史のところに行けないッ!!!行っては…いけないんだよッ!!!!!」
「……お姉」
私には何もわからない。魅音の背負ってきた重みを。
しかもだ、魅音はただでさえ弱い。いつもは強気だが部活メンバーの中で心が一番弱い。
だからこそ、私がいるんじゃないか。私という肉親が。
私は後ろに回って魅音を抱き締めた。
「…詩音?」
「よく聞きな。『詩音』」
本当の『姉』として、私は『詩音』に話す。
「あんたは確かに辛いと思う。でもそれだけでしょう?なら問題ないよ」
「問題…あるよ。『お姉ちゃん』」
不覚にもピクッ体を震わせてしまった。
まさか、ここで言われて驚くなんて。
不意に苦笑いが零れた。
「ふっふっふ。何言ってるのさ。もうあんたは独りじゃないんだよ?」
「え…?」
「あんたにはもう彼氏がいるじゃない。大切な支え、圭ちゃんが」
今度は『詩音』がピクッと震えた。
不意打ちでも食らったみたいに『詩音』は静かになった。
「それに、私もいるじゃない。他にもレナさんや沙都子、梨花ちゃまに羽入まで。
ほら、あんたにはこんなに仲間がいるでしょう?だから、独りで抱えなくてもいいじゃない」
『詩音』の手が私の手を掴んだ。
まるで何かを言いたいように、強く握られた。
「『お姉ちゃん』…私…あたし…ッ!!!」
「『詩音』、すぐに言わなくてもいいよ。ただ、ちゃんと来てね。時間がかかってもいいから」
私は念を押して手を握った。
そして、『詩音』は私に顔を向けた。
「ありがとう……『お姉ちゃん』」
微笑みながら『詩音』はお礼を言った。
私も微笑んだ。そして、優しく額にキスをした。
ちゅっ、となる音が懐かしかった。
そう言えば、昔、『詩音』への励ましでよくやったな。
今更そんなことを思い出す自分が少し可愛かった。
「どういたしまして。お姉」
そこでいつもの私、詩音に戻った。





11時にそろそろなろうとしていた。
今年も残すはあと60分前後だとここに来て実感した。
さっきからどうしても時間が気になってしょうがなかった。
「お姉、時間ばかり見てどうしたんですか?」
「別に。気になってしょうがないんだよ」
「ふぅ~ん。私はてっきりよからぬことを考えていると思いましたよ」
「どんなことだよッ!!!」
いつものように突っ込まされながらも少しだけ緊張が解けた気がした。
考えてみればさっきから肩に力が入りすぎだった。
「そうですね。『詩音、私いきなり体が熱くなってきて』なんて言いながら私に寄り添ってくるM属性を発揮するとか」
「なんでそっちにいく!!!!しかも私はMじゃぁぁぁぁない!!!!!!」
ふざけてる!!!今のはどうみてもふざけてる!!!
詩音にMだと思われていたとは。
今までそんな行動をしていた自分を今更だが怒った。原因は自分なのに。
「まあまあ。そんな怒らなくてもいいじゃないですか」
「怒らしたのは誰だ!!!」
「お姉自身じゃないんですか?」
真顔でそんなこと言うな!!!!どうみてもあんただろうが――――!!!!!
噛み付いてやろうかと思うくらいに詩音に食って掛かったが、相変わらず詩音は涼しい顔をしていた。ものすごくムカツク。
「ところで、そろそろ11時になのにのん気にしていていいんですか?」
「え…?」
「はぁ~……お姉、馬鹿ですね」
「なななッ!!!」
意味がわからず、さらには馬鹿になれて驚きを隠せなかった。
詩音が何を言っているかまったくわからないので怒ろうにも何を怒ればいいのやら。
「せっかく圭ちゃんと言う恋人がいるのにここでのん気に私と話していていいんですか?」
ああ、そんなことか。
やっと理解できて納得した私。でもなんで詩音がそんなことを心配するんだろうか?
「おこちゃま二人組なんですから、ここで大人の時間を過ごしてくださいよ」
「………詩音、念のために訊く。『大人の時間』ってどんなこと?」
「くっくっく。お姉、今ならレッスンしてあげてもいいですけど♪」
背中が凍った。とても嫌な予感がした。
そう、詩音の行動が危険だと私は理解した。だって顔が黒い。
「……………やめとく。生きて帰って来れない気がする」
「あら残念。そんなんじゃ一生子供は出来ませんよ?」
ほっとけッ!!!!!
いつのもノリで突っ込んだ。すると少し肩の力が抜けたのがわかった。
なんだんだで少し緊張をしていたんだなと思った。
「まあ今年の最後は詩音と過ごそうかな、って思ってね」
「あれ?さっきの話、聞いてなかったんですか?」
「ううん。でもそんなことはできない。だから、詩音がいる間は二人だけで居たいな、って思ってね。大丈夫、ギリギリになったら電話で祝えばいいんだから」
「………………お姉、インフルエンザでもかかったんですか?」
そこでふざけるな―――――――!!!!!!
相変わらずこの調子の妹に呆れながらも納得した。
これが詩音だ、と。すると自然に笑みが零れてしまった。
「クスクス」
「お姉、まさか本当に?」
「違うよッ!!!ただ、こうやって姉妹で過ごすことを忘れてたな、って思ってね」
「……そう、ですね」
詩音はそこで小さく微笑んだ。
それはどこか懐かしい面影を残していて、少し体が震えた。
「あんたが圭ちゃんと付き合い始めてから、二人の時間は減ってたね」
「…詩音」
「行こうかな、って思ってましたが少し伸ばしますか」
そう言って詩音は肩がぶつかるほどの距離で私の横に座った。
「あと10分くらい、こうしています。今年最後の姉妹の時間と言うことで」
「……詩音」
自然と笑みが零れた。
そんな自分が少し可愛い、と不意に思った。
「やっぱり、魅音でよかった」
「…何が?」
「魅音と双子の姉妹で」
詩音は私に微笑みながらそう言った。
私も詩音に微笑みながら頷いた。
「…ありがとう、魅音。今年はいい大晦日になりました」
「こちらこそ。詩音に感謝してるよ」
「ふっふっふ、そうですか」
色々といいたいことがあるけど今はやめておこう。
今はただ、この時間を静かに過ごしたい。
そう、思って私は瞼を閉じた。

大好きだよ、お姉ちゃん

心の中でそう、思いながら…


続く
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コメント

上手いなぁ…

 詩音がお姉キャラ…好きですね。詩音が優しい気持ちになる様で…
 姉妹の心情が上手く表現してて…押さえる所は押さえて…笑いのテンポも良いなぁ。

詩音はやっぱお姉さんですねー。
妹魅音もかわいいというかv
魅音と詩音は最高の双子ですよね!

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中二病の同人大好きな変態。アニメよりゲーム派。
07th作品はうみねこよりもひぐらし。
いまだに圭魅が大好き主張は変わらず。
創作活動は別館で進行中。

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