fc2ブログ

LOVE~DARKNESS~ 2

2008–02–14 (Thu) 23:00
ここからは圭魅オンリーで。
予想外の展開に持っていきましたよ~(自分の出来る範囲で)途中から第三視点は仕様です。
期待に合うビターな味だといいんですが。



夜。星空が綺麗だと思えるのにどうにも心がすっきりしなかった。
あのあと、魅音は現れなかった。園崎家に行っても悟史と一緒にいた詩音を尋ねても見つけることが出来なかった。
夜は無駄に冷えるせいで足が震えていた。炬燵に潜りながら引っかかった糸を戻すように考えた。考えて考えて考えた。
「………………………」
だけど先が見えない。答えが見つからない。
こんな時の自分には怒りを感じていた。恨むような、憎しみがある怒りで自分をしかりつけたくなる。でも…叱らなかった。
「魅音……魅音」
魅音と俺は恋人同士に見えるが…本当は違う。
本当は『仮』の恋人同士。真に交じり合うことを嫌った魅音が決めたことで俺はそれに頷いた結果だ。今は…あの時の選択を後悔している。何故なら……この選択は死刑以外の何ものでもないのだから。
きっと混じることは一生ないだろう。
それは不安ではなく……確信だった。心のどこかで思えるのは…俺たちは、あってはいけない存在だった。……もしかしたら、どちらかは生まれてきてはいけない存在でもあったのかもしれない。
何を考えてるんだ!!!!!
机に頭を打ち付けきつけをした。かなり痛かったが沙都子の盥と比べたら軽いものだ。
今の考えには殺気を覚えた。それは自分の存在だけではなく魅音の存在をも否定した考えだった。きっと赤の他人だったら誰だろうと襲い掛かったいただろう。でもそれは自分自身だったからどうにもしようがなかった。しかたなく唇を噛んだ。そこから出た血の味が口中に広まって気持ち悪かった。
この家には俺一人しかいない。晩飯は両親が作ったものを食べ食器は洗っておき台所に綺麗な並べておいた。でも…今日に限って一人だったのは幸いだったのかもしれない。
「………あそこに行くか」
電気を消して居間を出た。自分の部屋に戻ってコートを羽織ながら小さな溜息をした。
バカだな。あんなところに行ったら余計に苦しくなるだけだってのに、な。
最後にオットセイのキーホルダーがついた鍵をポケットに押し込み部屋の明かりを消し、前原家を闇に染めて家を出た。




息を吐くごとに寒いと感じさせられる。それは当然だ。今この時点ですでに雪が舞っているのだから。
「…………………」
黙々と足を進めていく足を音は悲しい効果音でしかなかった。
ざく。ざく。ざく。ざく。ざく。ざく。ざく。ざく。
雪の上を歩くごとに足が動いていることを理解できた。それが人間として当然なのに今はその音がなければ判断が出来ずにいた。頭の思考は1%に満たない。それほど色々なことで頭がいっぱいだった。
全てを説明しろ、なんて言われたらまず無理な話だ。元から思考なんて動いていない。あるのは「脳みそ」という飾り。
ざく。ざく。ざく。ざく。ざく。ざく。ざく。ざく。
もし、今の頭の中で何が起きているかわかっても知りたくはない。そう…知りたくなんて…ない。



雪。それは儚いもの。手に落ちればすぐに消えてしまえば、積もったと思えば少しずつ溶けていく。悲しい……とても悲しい。
「………………」
ここから見える雛見沢は絶景だった。何者にも変えられないとても素晴らしい財産。だけどそれもあと何年もつかと考えると悲しく名残惜しい。
ここは私にとっては命。全ての始まりで全ての終わりだと思っている。だからここで生まれたものとしてここで死ぬのが当然だと考えている。それが運命(さだめ)だって感じている。
いずれここを束ねるの存在として…バカなことはやめようって考えたはずなのに。
「………………バカッ」
何であんなことをしたか理解のしようがない。何であんあことが楽しかったのか理解できなかった。
赦されない…と言っているわけではない。赦されるからやっていた。でも……ダメだ、と。
それは無駄な感情。次期頭首に必要なものは氷の心・鋼の精神・曲がることを知らない信念のはずだ。だから、それ以上を求めなければそれ以下も求めない。
だから、バレンタインなんて私にはただの平日。週末なら週末。それで十分。……のはずだった。
「チョコなんて……まるで人間みたいなことして」
歪んだ顔に歪んだ笑みを零す。他人から見たら不気味を超えて恐ろしいと感じられるだろう。
決めたくせに何をしてるんだ。私は「鬼」として生きる。「人間」はやめるって。
それは不可能に近いほど難しい誓い。心を「鬼」にすることで何かを強くしたい。そう考えた。
だが…所詮はこの程度。バカバカしい。
「……愛…なんて」
いらない。でもそれ以上の言葉を発することは出来ない。
わかっているその理由を。わかっているそれが捨てられないことを。わかっているそれが無理なことを。
だって、今の私には存在している。

前原圭一を愛する心が。

「………圭ちゃん…」
カップルモドキ。それが今の私たちの関係。
親友以上恋人以下の関係。でも恋人とみてもおかしくない。現にこの雛見沢ではカップルとされている。それはただの偽りだと言うのに。
「……偽り……ははは」
それを言ったら今の私も偽りだ。
「鬼」になりきる・頭首として成長・愛がいらない。全部全部嘘だらけ。本当は「人間」でいたい・頭首になりたくない・愛が欲しい。でも…わからない。
これが壊れたのはいつからだろう?……知っているくせに。
告白されたこの場所で…恐れて、頭が真っ白になって、いけないなんて思ってしまったのがことの始まりだ。
……あれの答えなんて最初から決まっていた。でも…怖かった。関係が壊れることが。みんなが変わってしまう事が。圭ちゃんに愛されることが。自分が…コントロールできなくなることが。


欲しいもの…?
あるにはある。でもそれはとても大事なもの。
あなたには送れますか………私の、真の心を。



古手神社。雛見沢の神聖な場所、聖地というのがいい表現だろう。
明かり一つない場所で彼らは出会った。
「「……………」」
声を出さず目だけでの会話。それは二人にしかわからない話。でも…第三者からみてわかるのはいい話ではないことであった。
「………悪かったな」
「……こっちこそ……ごめん」
お互いに謝る。どこか悲しい響きを持たせる声音が空気を嫌な方向へと持っていく。
「……チョコか?」
「………………」
魅音は何も答えない。ただただ圭一から目を逸らすだけで動揺を見せなかった。恥ずかしがり屋の魅音を知るものから見ればそれは不思議でしかない。
「…………寒くないか?」
「ううん……別に」
「……嘘…下手だな」
体をぶるぶると振るわせるさまに嘘を見破るのは容易なことだった。それもそうだ。魅音は4時間以上はここにいる。これで寒さを感じなかったら異常であった。
「……俺の家にこい。暖まってるからさ」
「いい。帰る」
「…それに…魅音に来て…欲しいんだ」
唇を噛み締めながら魅音は戸惑った。口内が乾いてとても気持ち悪い。だが…何を言っても圭一は引かないことを知っている魅音はそれに反論できない。
痛い…ものすごく痛い。死んでしまいそうに…痛い。
素直になれない自分と圭一との想いで胸の痛みは最高潮であった。まるで胸の中に何かが暴れるみたいでとても嫌な気分だった。
魅音は何も答えず、何もしなかった。
「………じゃあ行くぞ」
圭一の言葉に静かに頷く。まるで…機械みたいに。



気づいた頃には二人は圭一の部屋で背中を向けてだんまりしていた。
「「………………」」
悲しい。切ない。つまらない。苦しい。痛い。悔しい。
色々な感情が部屋中に広まって空気が重かった。それは読めるなどではなく空気が意志をもち二人を戒めるように重圧をかけていたからであった。もちろん、二人はそんな空気に落ち着いていられるはずはない。手をソワソワと動かしたり渇いた唇を舐めたりと様々だった。
「……なぁ」
そんな状況で圭一は口を開く。しかしそれは声だけであって身体は魅音に向いていなかった。
「…チョコ、くれないのか…?」
「………欲しい、の?」
「ぁぁ……魅音のだからな」
「……そう」
何かに納得したように魅音は圭一に背中を預ける。いつもならドキッとする圭一だったがドキッとする仕草など見せなかった。それは心の同じだった。
「…………じゃあ、今の私のチョコ。あげてもいいよ」
静寂な空気がさらに色を濃厚になる。静かに魅音は背中越しに圭一へチョコを渡す。だが、嬉しいとも言えない。かと言って嫌だとも言えない。なんとも複雑な気持ちだった。
「……いやいや渡したのか?」
魅音は答えなかった。何故なら魅音にもそれはわかっていなかった。
ただ言われたから仕方なく渡したのか。それとも渡したくて渡したのか。何にも定まっていなかった。
「…魅音…俺は魅音を愛してる」
「それは以前の私でしょう?」
反論する声には悲しみがあった。もう戻れない過去の自分。どこか寂しくて憎い思い出。あの日々に戻りたいと考えるのは魅音にとって苦悩でしかない。それが無理だと知っているからこそ…だ。
「……そんなのは関係ない。俺は魅音が好きなんだ。今の…昔も」
「やめてよそんなこと言うの。わかってるんだから…」
憎しみの声。一瞬体の全身が怯えたように震えたのを感じたが圭一は続けた。
「……まあ、そうかもしれない。でも…俺は魅音が好きだ。それは今の変わらない。本当は魅音だってそうじゃないのか?」
「…………………」
「お前がどんな過去を背負ってきたか話は聞いたことがある。お前が変わってしまった事も知ってる。……いや、理解しようとはしてる、かな」
「……………嘘つき」
「確かに、な。それは認める。だけど……それは魅音が好きだからだよ。魅音自身もそうしてるんじゃないのか?…あの東京での事件とか…理解しようとしてるんじゃないのか?」
圭一は冷静かつ感情なしに話を続ける。
「もし俺が怖いなら別れるよ。いや、もう二度とそんなこと言わないで親友のままでいる。
だけど……今の魅音は俺という人間を全て受け入れている。それなのに俺と付き合うことを拒んでいる。……仲間を失いたくない一心に」
「違うッ!!!!!」
「自分が壊れるって言うのは言い訳でしかない。本当は俺と付き合ったことで仲間から負い目を受けるのが怖いんだろう?なぁ…臆病者!!!」
バン!!!!!
魅音は後ろから圭一を全力で殴り倒した。もちろん反応が出来なかった圭一は顔から床に叩きつけられた。
ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱん。
そのまま魅音は圭一の顔を叩く。何度も何度も。手が痛くなるくらいに、血を出せるぐらいに、力強く叩き続けた。圭一は…止めない。むしろそれを快く思っていた。
「違う!!!違う!!!違う!!!!!バカ!!!バカ!!!バカ!!!!!」
唇が切れる。鼻血が出てくるのがわかる。頬が燃えるように熱くなって痛い。だが圭一は何もしない。
「嫌い!!!!嫌い!!!!圭ちゃんなんて…大嫌い!!!!!!」
その声と共に最後の拳が圭一に飛んできた。
「バン!!!!」と机でも叩いたような無情な音が響いた。圭一の口内が切れ口中に血の味が広まっていく。そして、頭を後ろの床に叩きつけられ静かに気を失った。
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ」
肩で息をしながら乱れた呼吸を立て直す。
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ………………ぁっ!!!!!」
そして、自分がしてしまったこと。それの重大さに気づく。
「ぁぁ…ぁぁぁっ…」
叫び声にもならない悲痛な後悔。そして、犯してしまった自分の罪。
色々なものに蝕まれながら魅音は涙を流す。
「けぃ…ちゃっ」
目の前にいたのは血だらけになった愛しの人。手にはその血で紅く染められていた。
好きであった……その想いが爆発し魅音は圭一を傷つけた。
「ぅぅぅぅ……」
全ては自分のせいだ。素直にならなかった。仲間を信じなかった。臆病だった。何もかも自分のせいだ。
そこで気づかされた。…………今までのことは…全て…間違いだった、と。
ただ素直に好きと言えばよかった。正式に付き合えばよかった。そして、幸せになればよかった。なのに彼女は自分の恐怖心に負け自分だけではなく彼をも苦しめた。
その結果の現実はこれであった。
静かな前原家に…悲しい後悔の声が響いた。



圭一が気づいたのはそれから数十分後だった。
顔中に痛みがはしって血が出てることがわかる。口中に広がる手の味を飲み込みあたりを見回す。そこには嘆き苦しみ彼女の姿があった。
「………ようやく落ち着いたか」
「ひっく…け…ちゃん」
涙で濡れきった彼女の顔。圭一はすぐさま魅音の横に座り込む。
「…どうだった。殴った感想は?」
「…………ぅぅっ…ひくっ…ごめん…なさい」
涙を流しながら圭一に深い謝罪の言葉を述べる。もちろん圭一はそんなこと言われるのはわかっていた。
「そうだな………それで、俺のことは嫌いか?」
単刀直入で圭一は訊く。もちろん魅音は首を横に振った。
「じゃあ…どう思ってる?」
「……好き…大好き」
「そっか………」
期待をしていたような声で圭一は天井を煽った。痛みが続く顔を歪ませながら静かに考える。
「………………………」
瞼を閉じて静かに圭一は決意を固めた。
「一旦…別れるか」
「え……?」
いきなりの言葉に魅音は驚きを隠せなかった。それは言った自分も同じであった。
「心の整理がつかないんだよな…だったらしばらく元に戻ろうぜ」
「け、圭ちゃん………でもそれじゃあ…圭ちゃんが」
「魅音が好きだから」
魅音の肩を持ち真剣な眼差しで圭一は魅音を見つめる。どこまでも真っ直ぐで純粋なその色。まるで全身から何かが取り出されるような離脱感を感じた。
「魅音が好きだから…好きでい続けたいから。俺は別れようと思う」
「……圭ちゃん」
「魅音自身の答えは出さなくても構わない。でも…待ってるから。ずっとずっと、魅音を想い続けて」
ポタッと涙が零れる。圭一は決意と共に悲しみにも蝕まれた。その言葉一語一語に想いが込められていて魅音ももらい泣きしそうになる。
「だから………しばらく仲間で、最高の親友でいよう」
涙を拭いながら圭一は思った。
魅音なら大丈夫、と。それは愛ゆえの切なくてどこか逞しい確信だった。
今年のバレンタインは苦いチョコレート。悲しくて切ない。でも、どこか甘さがあった。


第2章




切ない!!!!そう感じる話でしょう。
練って練った末に、どうしたら泣けてくるか…と考えてこのような結果になりました。まだ先は続くんでここで絶望していたら身が持たない…よ。
時間的に計画は大きく変更になりいちはちは当分先になりそうです。
切ない想いのチョコレートに泣けたでしょうか…?
スポンサーサイト



« LOVE~DARKNESS~ 1 | HOME |   »

コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

泣きそう・・・

切ないですね、読んでるともうホント泣きそうです。
二人が一旦別れることになってももう一度つながると信じてます。

第弐話拝見

なんだか切なくて、悲しい話ですね。
魅音を思う圭一の想い、圭一を想い、されど、己が定めに苦しむ想い、擦れ違いが、二人の間に悲しみと失意の影の尾を引く。

コメントの投稿

 
管理者にだけ表示

 | HOME | 

FC2カウンター

最近の記事

最近のコメント

月別アーカイブ

カテゴリ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール

キラ

Author:キラ
中二病の同人大好きな変態。アニメよりゲーム派。
07th作品はうみねこよりもひぐらし。
いまだに圭魅が大好き主張は変わらず。
創作活動は別館で進行中。

カレンダー

03 | 2024/04 | 05
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

リンク

リンク

参加中同盟

ひぐらしのなく頃にWebRING

貰い物

わけあい:18禁圭詩×魅マンガ ヂャイロ