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LOVE~LIGHT~ 1

2008–03–12 (Wed) 22:43
先駆けホワイトデー。ここから折り返しになります。
クセはほとんどなくなると思うので読みやすいと思います^^



今日もいい天気だった。気温も少しずつ春らしくなって桜もあと数週間で咲き始めると天気予報も言っていた。
雪もほとんどない雛見沢は俺が来た時みたいに自然の土が道になっていた。踏み出すごとに石の感触が足を伝って懐かしいと感情的になってしまう。それが卒業と言う言葉の合図でもあった。
「卒業、か…」
自分もあと1年後には卒業する。そして新しい学校へと駒を進めていくことになる。それが将来、東京への鍵になることになると自分自身よくそれを理解していた。だからこそ勉強では手を抜いていない。
しかしながら、「あいつはどうするんだろう」と考えていた。
落ちてしまった学校へはもういけない。2次募集などもなくあいつはどこへいくか悩んでいた。
その結果が浪人になると思うと悲しくなる。
「あいつとも…お別れか」
浪人になると決まったのは3日前のことだった。これは魅音自身の意思を尊重した結果だった。もちろん先生も家族も反対したがあいつはその意思を曲げなかった。そんな状態が続いた中、折れたのは茜さんだった。
仕方ないねと言いながらある条件を立てて魅音の意見を取り入れた。
その中身とは『県外の親戚に頼んで学校と同じ体勢で勉強。しかもその間にも頭首の勉強も欠かさずにやる』ということだ。それには一同は驚きを隠せなかった。
まず、学校と同じ体勢とは平日に学校へ行くこととあまり変わらない。そのようなことを茜さんは親戚頼んで行なうと言う。そんなこと聞いたこともない一同は騒然としたが昨日にそれが確定したらしい。
そしてもう一つの頭首の勉強とは俺自身よくわからない。しかしそれは欠かせないものであると言うことだけは頭では理解していた。現にお魎のばあさんは魅音がこなせていないことを裏でやっているらしい。その中身はいいものも悪いものもある仕事であるがそれは勉強をしなくてはいけないらしい。
そのような過酷な条件の中魅音は『もちろん』即答した。
「まったく……あいつも無茶する奴だな」
それを聞いてから俺はずっとそう思っていた。しかしながら東京という目標に本気で挑んでいる証拠である。
もちろん、それは俺を除く仲間たちに伝えられた。そしてみんなそれを了承した。
しかしながら俺は魅音にそれの意見を言っていなければ意見の中身すら聞かされていなかった。
その理由は薄々自分の中で気づいていた。
「………」
今日はホワイトデーだ。あいつに何を渡すか考えているのだが何も思いつかなかった。
あと数週間しかいられないあいつにどんなものプレゼントしようか考えていた。しかしさっぱり思いつかなかった。
「いてぇッ!!」
などと考えている中、頭を何かで叩かれたらしくひりひりとした。しかも叩かれたものは硬いからきっとものだろう。
「前原くん。授業中に先生の前で堂々と居眠りとは感心しませんね」
何か危ないオーラを放つ知恵先生が目の前にいた。指にチョークを挟みこみ命が危険だと感じさせられそうな空気が俺を締めつけた。
「すいません……少し、頭痛がして」
言い訳だ!!!!と周りからも先生からも言われるであろう。しかし先生は何も言わず「そうですか」と呟いた。
「確かにここ最近顔色が優れませんね。真っ青ですしいつもみたいに元気がありませんね」
「そう…です、か?」
「前原くん。しばらく保健室で休みなさい」
知恵先生はそれだけ言うと心配の色を隠さずに是非を求めてきた。俺は迷惑をかけるわけにはいかないなと思い頷いた。



………………にぎやかな声が聞こえる。
知らない間にベットで眠っていたらしい。気づくと外で遊ぶ子どもたちが目に入った。
本当に楽しそうだ。元気に体を動かして心の底から楽しそうに笑みを零していた。
俺の顔もあんなだったけな。まるで遠い昔に忘れてしまった言い方。だが俺にとっては遠い昔なのかもしれない。
笑うことも忘れてしまったようでどんな顔をすればいいか。どんな声で笑えばいいのかもわからない。ここ最近色々なものを背負いすぎたのだろうか、記憶があやふやだ。
額を抑えるとどうしてか痛みが走った。頭痛ではない。もっと違うもの。そう…言うなら胸が苦しいと同じような表現。
「………ちっ」
舌打ちをしても意味がない。だがそれで気分が少し変わるのなら、と思ったがそんなものは意味がなかった。
仕方なくもう一度瞼を閉じた。そして何かを考えようと……思考を働かせた。しかし……やっぱり予想通り。
「…魅音」
全てが魅音で埋め尽くされていた。
あいつの顔・声・性格・可愛さ。色々なものに満たされていく。笑顔が好きだ。声が聞きたい。あいつとすごしたい。……欲望の中で俺は…胸が痛んだ。それは今の現実だった。
笑顔を失った魅音。悲しそうな声が耳もとを打つ。俺は…魅音に避けられていた。
理由はわかっている。それは鈍感などと言う問題ではなく感情的な問題だった。だからこそ、俺は苦しんでいる。ずっとずっと…。
だから体調も気分も悪いんだ。…それに悩んで悩んで悩んでも…わからないから。
ガラガラガラ。
不意に戸が開き体を起こした。そこには彼女たちがいた。
「………圭一君」
レナはとても悲しそうな目で俺を見ていた。しかしその奥には怒りを染み込ませて怖かった。
「圭一さん」
沙都子は心配そうな表情だった。そして見るもの辛いような悲しい表情を混ざらせていた。
「圭一」
梨花ちゃんは真剣な目つきで俺を睨みつけていた。その色は俺より年下だと忘れさせるほど鋭く…そして静かだった。
「圭ちゃん」
詩音がそこにはいた。いつもからかうような笑みは見せず俺を静かに見つめていた。
俺は彼女たちを静かに見つめた。何も言わず何も動かない。ただ見つめていた。
そして、彼女たちは足音を立てながらこちらに来て。
パン、パン、パン、パン。
俺の頬を思い切って叩いた。
「……わかってるよ。俺が悪いぐらい…」
「なら、どうにかして下さいよ!!!あんなお姉、見るもの辛いですよ!!!」
「そうですわ!!圭一さんと魅音さん。とっても悲しそうで…私たち…」
詩音と沙都子は感情的になり俺の責めてくる。しかし俺はそれに謝ることが出来なかった。それほどまで俺は罪深く無力だった。
「…圭一君」
それに対してレナは何もせずに俺を見つめ続けていた。そして一つ一つ探るように質問をぶつけてきた。
「圭一君は魅ぃちゃんのことが嫌い?」
「馬鹿言うな。好きだから苦しんでるんだろう」
「じゃあ、どうして何もしないの…?」
「…怖いんだ。今はあいつに何をすればいいかわからないんだ。だから…普段通りにすごすことも恐ろしいんだ」
「…でも何かしないとこのままだよ?」
「わかってるんだ!!!だけど……何を…どうやってあいつを知ればいいか…っく」
途中から俺は苦しくなって抑えきれなくなった涙が頬を伝った。ギュッとシーツを掴み流れてくる涙を腕で拭った。その間みんなは静かに俺を見守った。だが、彼女は言った。
「あなたはその程度の存在なの?圭一、魅音にとっても私たちにとってもあなたと言う存在はもっと強いはずよ」
梨花ちゃんは強く。しかし穏やか声で俺に語りかけてきた。一斉に視線が梨花ちゃんの方向へ向く中彼女は話を続けた。
「あなたが経験してきたものはどこの世界の人間よりも多いはずよ。人間の寿命が尽きるぐらいの時間をあなたはすごし勉強してきた。まあ今はまだ子供も身体だけど心はもう100歳近くのはずよ。
それなのに今のあなたときたら?情けないわ。まるで生まれたての子供みたいに何も出来ないなんて。
あなたは数多くの困難を乗り越えて生きてきたわ。破れない法則をいとも簡単に破ったり、水と油のような人々を見事に混ぜこの世界を救ったわ。そんなことと比べたら、今のあなたの問題なんて息をするのも当然のはずよ。…圭一、あなたは呼吸すら出来ない生き物なのかしら?」
「違うッ!!!!確かに今の問題は梨花ちゃんの言ったことよりも簡単なはずだ。だが……俺だって人間だ。わからないこともある!!!!!」
自分でもわかっている。夏に経験したことよりも今の公式は簡単で頭を使う必要なんてない。しかしそれでも俺は解けなかった。1×1ができても1+1ができないのと同じだ。簡単だからこそわからない。だが……もしかしたら。
「圭一君。実は、どうすればいいかわかってるんじゃないかな?かな」
やっぱりレナは鋭いな。俺が思ったことを瞬時に理解するなんて、な。
「でも圭ちゃんはそれを行なうのを恐れている。違いますか?」
「はは……まさか名探偵が2人もいるなんてな」
冷めた苦笑いが零れた。詩音にも筒抜けだったことに驚きはない。レナも詩音も魅音にとっては大きな協力者だ。今の魅音を理解し俺が何に苦しんでいるかさえ判れば二人にとっては簡単な掛け算を解くようなもの。それから導き出された答えから…俺がどんなことに苦しんでいるか9割がたは理解できた。
「圭一。運命は自分で切り開くものよ。あなたにとって運命は金魚すくいの網よりも薄いはずじゃなかったの?魅音と別れたままの運命ぐらい、あなたには造作もないことのはずよ」
梨花ちゃんの言うことは正しい。何一つ間違いのない正論だ。知らず知らずにその答えは俺の中で出ていたものだった。だが、それに気づいたのは今だった。まったく、情けない。
「そうですわ。圭一さんと魅音さんはその程度じゃ止まらないはずですわ。前のお二人を見ていれば私にだってわかりますわ」
「沙都子の言う通りです。前の二人なら怖いものなんてなかったはず。笑顔の圭ちゃんとお姉の絆はどんな糸よりも堅く解けないものです。まあ、私と悟史くんほどではないですが」
「ははは…詩音らしい言い方だな」
最後の「悟史くん」をつける部分がなんとも詩音らしいと思いついつい笑みを零してしまった。沙都子の言い分も間違いではない。「魅音と俺、二人が揃えば怖いものなんてない」なんて昔はたくさん言っていたほどだ。沙都子が言うとどこか嘘臭いが今の俺にとってはそれがとても嬉しかった。
「圭一君のその笑顔。なんだか懐かしいな…」
不意に言われたレナの一言で自分にも笑顔が戻ったことに気づいた。
ああそうだったな。心から笑うってこんなにも温かくて…心地のいいものなんだな。
忘れた笑顔がとても心地よくてついつい余韻に浸りたくなるがそれはまだ早い。何故なら……笑顔じゃないのが一人だけ。
「魅ぃのところに行きますか?」
梨花ちゃんの言葉に力強く頷いた。知らない間に俺の迷いはどこかに消え…一つに決意だけが心に芽生えていた。
「こんなに教えてもらっちまったからな。何か1つ罰ゲームでも受けないとシャレにならないぜ」
軽口を叩く俺にみんなは黒い笑みで微笑んだ。今回は何を言われても従う気だった。でもみんなはみんなだった。
「そんなの決まってますよ。ねぇ、沙・都・子♪」
「をっほっほっほ!!圭一さんには特大の罰ゲームですわ」
「はぅ~やっぱりあれだよね。あれだよね」
それぞれ何を言うか決めているらしく興奮を隠し切れずにいやらしい表情を曝け出していた。
おいおい。これからだって言うのにおかしな罰ゲームで気持ちを落胆させないでくれよな。
「圭一の罰ゲームは「魅ぃと付き合うこと」なのです。にぱー☆」
代表して言う梨花ちゃんと共にみんなも笑顔で頷いた。やっぱりみんなには迷惑をかけっぱなしだなと改めて実感したがそれはまた今度にしよう。
「ああ!!!わかったぜーーー!!!!!」
みんなの優しさがとても嬉しくて瞼が熱くなったが涙は流れなかった。



窓辺を眺めながら私は考えていた。
すっかりと冷めてしまった圭ちゃんとの仲。好きな気持ちは変わらない。でもあの日以来、心のどこかで圭ちゃんを避ける私が生まれてしまった。
あの時の圭ちゃんに幻滅したわけではない。ただ…何かが怖かった。
その正体はわからないけどとても怖くて知らない間に私は圭ちゃんを避けていた。それが圭ちゃんを苦しめる結果になったことは痛いほどわかっている。
だから浪人の件でも私は黙ったままだった。それを知ったのはつい最近になってからだってことはレナから聞いている。だから私はずっと圭ちゃんを待っていた。
どんなことを言われるのかな?怒ってるのかな?やっぱり反対されちゃうかな?
色々な考えが頭を過ぎるがその真意はわからない。
だったら訊けばいいのに、と思うだろう。でもそれは出来ない。理由はさっき言った通りだ。
「はぁ~……何やってるんだろう」
一番いいのは圭ちゃんと話し合うこと。人の気持ちがわからないときは話し合うことが一番いいと経験上知っている。
それが出来ない自分はどうしようもない臆病ものであった。そのことは圭ちゃんと初めて会った時から何一つ変わらない。何かを恐れて私は何もしないことが自分のコンプレックスであった。
やるときはやる。でも何故か私には圭ちゃんのことに関しては何も出来ない。まったくもって情けない。
全てを気づかせてくれた彼に…私は何もして上げられない。それが…たまらなく悔しかった。
「……バカ」
好きな女の子。それが圭ちゃんから見た私。
好きな男の子。それが私から見た圭ちゃん。
交じり合うはずなのに交じり合えない。まるで水と油の関係みたいだ。

………私たちって…付き合う、べき…なの?

「何考えてるんだ?魅音」
「ひゃぁっ!!!ななななななに???!!!」
不意打ちするかのように背中から抱き締められた。その相手が誰かなんて考える必要はなかった。
「隙だらけだぜ。それじゃあ「弄って下さい」なんて言ってるようなもんだぜ」
「けけけけけけけ圭ちゃん???!!!!」
そこにいたのは懐かしい圭ちゃんの姿だった。しかもその明るい性格もとても懐かしい。
待ちに待っていたというものだった。この圭ちゃんに私は会いたかった。ずっとずっと…会いたかった。
「な、何か…用…?」
「なんだよ。用がなければ声をかけちゃ悪いのかよ」
「いや…そういうわけじゃないけど…」
なんだろ、この気持ち。とても懐かしい。それに心が…温まる。
知らず知らずに緊張の糸が少しずつ緩んできたのがわかった。そしてさっきまであった話すことの恐怖心がどこかへと消えてしまったようだ。
「まあいいや。ところで魅音。暇そうに窓を眺めてどうしたんだ?」
「べ、別に。たまには空を眺めるのもいいかなって思って」
「ふぅ~ん。まあこんなに晴れてたらわからなくもないな」
不思議な気持ちだった。とても温まって…健やかな気持ちになる。それに…圭ちゃんが近くにいることが嬉しかった。
「じゃあ今は暇か?」
「???うん。一応ね」
一応なんていってしまったが本当は暇だった。まだ少し…圭ちゃんを避けてしまっているなと自覚されるのが少し心苦しいが避けていた頃よりは全然苦しくない。むしろ嬉しい方が勝っていた。
「それじゃあ、学校サボってデートするか…」
「ふぇ…????!!!!!デデデデデデデデデデデートぉーーーーーー!!!!!??」
あまりにいきなりの案に驚きは隠せなかった。むしろいきなりこんなことを言われて何も感じないほうが凄い気がする。
顔が真っ赤になったことがわかる。熱い頬が、羞恥心が、圭ちゃんの不意打ちが何故か心地よかった。
「なんだ。嫌か?」
残念そうな顔をした圭ちゃんを見た瞬間に反射的にブンブンと首を横に振り否定した。なんだか調子が凸凹でやっぱり不思議だ。
「それじゃあ行こうぜ。こんな天気にデートしないのは損だぜ」
圭ちゃんは勢いよく鞄を持ち年齢に似合わないような純粋な笑みを零した。その笑みにまた頬が熱を灯したのがわかった。
何でだろう。圭ちゃんの笑顔……見れないよぉ~。
「ま、待ってよぉ~~」
私も年齢に似合わない声で圭ちゃんのあとを追う。このおかしな声にも少しだけ恥ずかしくなってまた頬が熱くなる。
「あっ。悪いな魅音。ほら、掴まれ」
それに気づいた圭ちゃんは戸の前で私に向かって手を出す。それに躊躇うことなく私は掴んだが。
「あっ…~~~~~」
男の子が大きくて手がとても暖かい。忘れていたその手についつい笑みを零してしまいそうになるが恥ずかしさのほうが勝っていた。
「…やっぱり、魅音の手を握ってると落ち着くな。小さくて温かい」
「圭ちゃんのバカぁ!!!!!」
こんな日常が、とても懐かしくて心地よかった。
許されるならこの時間が続きますように、と私は心の中で願った。

2話



設定は澪尽しベースです。
でも、悟史に関しては祭囃しにしているので知っているのは園崎姉妹だけです♪
今まで関係はあまりなかったですがここまで出しちゃったらねぇ^^:
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感想

読ませて頂きました。
お互い、素直に接せない二人。
それに起を発する暗雲。
そして、そんな二人に痺れを切らす仲間達、否、部外者達。
それでいて、そんな仲間達に背中を押される圭一さん。
懐かしい温かさと笑顔に心を満たされ、不安を薄めていく、魅音さん。
最後はにんまりしてしまいました。

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中二病の同人大好きな変態。アニメよりゲーム派。
07th作品はうみねこよりもひぐらし。
いまだに圭魅が大好き主張は変わらず。
創作活動は別館で進行中。

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