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LOVE~LIGHT~ 2

2008–03–14 (Fri) 23:34
ほのぼのとシリアスがミックスされた作品です。
バカップル要素は…(個人的には)あまりないです。




学校と飛び出し俺たちは青空の下を歩いていた。
途中、先生に会わなかったのは運がよかった。だが明日学校に行ったら大目玉だと思うが今はそんな心配よりも魅音と一緒にいられることが嬉しかった。
つながれた手と手。恥ずかしいと訊かれたら恥ずかしい。だがこの手を離したくなかった。温もりと手の大きさが恋しいと思うのは今を持って存在しない。
何週間ぶりかの彼女の手は俺にとって宝物だった。それは彼女も同じだろう。
「こんな風に手を繋いで歩くなんて懐かしいよな」
「…うん。そうだね…」
控えめなコメントをいいながら表情には嬉しいと笑みと一緒に書いてあるのがわかる。それは俺も同じだ。
手を繋いで歩くなんて今まで何度も経験してきた。その度に嬉しい気持ちを抑えきれなくなってずっと笑っていた。でも恥ずかしさ混ざりだったのも鮮明に思い出せる。それは今も同じだった。現にさっきから魅音の顔をよく見れずにいた。
「「…………」」
横目でちらちらと覗き見るように魅音の顔を見る。真っ赤に染まった顔、ひらひらと綺麗になびく翡翠色の髪の毛、鼻腔を擽る女の子の香り。全てが刺激的で改めて魅音がどれほど女の子らしいか実感させられた。
「そ、そう言えば…これからどこ行こうか?」
さっきは懐かしさに浸っていたので普段通りに会話できたが、魅音を感じてしまって普段とは違いギクシャクした喋りになってしまった。口先の魔術師もここまでされてしまったら低級魔術しか使えないと言うものだ。
「べ、別に…私は…どこでも」
「そ…そうか」
恥ずかしかった。前は慣れてしまったせいかこれぐらい楽勝だったのだが今はボロボロで恥ずかしすぎる。それは魅音も同じ…ではない。魅音は何も変わっていない。変わったのは…俺自身。
「で…でも」
俯きながらブツブツと何かを繰り返す魅音になんだか胸が高鳴った。これは何かの予兆だと思い体を構えるように強張らせた。
「……魅音?」
「今は……圭ちゃんと一緒に、いられれば……いい」
恥ずかしそうにしながら小さい声で言った。それに俺は赤面してしまい答えに躊躇ってしまう。
「え……?お、俺と…い、っしょ??」
繰り返すように口ずさむと俯きながら魅音は頷いた。真っ赤になった顔が微かに見えたがきっと俺も負けていないほど真っ赤になっているだろう。
こんな恥ずかしい状態だが人通りがなかったのは不幸中の幸いだった。
「….…そ、そんなの…お安い御用、だぜ」
言葉と一緒に魅音を握る手の力を強めた。さっきから恥ずかしいとしか思っていない。しかし魅音の言葉を俺は素直に受け入れ答える必要があるくらいはわかった。
それが償い。いや違うな。ただそうしたいだけなんだ。魅音と一緒にいて笑えていられればそれだけでいいんだ。
ぎゅっ。
不意に背中に温かい感触がした。握られた手を離さずに魅音は俺の背中を抱きしめた。
「ッ!!???み、魅音…」
「お願い……しばらく、こう…させて」
さらに腕に力が込められた。俺は魅音の言う通りにしばらく立ちすくんだ。…………泣いている彼女の声はどこか嬉しそうだったから。



気づいたら圭ちゃんの背中で涙を流していた。
嬉しさが抑えきれなくなったの壁から止むことのない温かい雨が降り注いだ。
今ここにいるのはあの時の彼だ。すっかりと消えてしまった彼が今ここに帰ってきた。さっきまではもう戻ってこないと思っていたりもした。
信じていたと訊かれたら100%とは言い切れない。よくて80%。それほどまでも諦めムードであった。
圭ちゃんのことは信じているつもりだ。だが戻ってくるか信じられなかった時点で私は圭ちゃんを完璧に信じていないことはわかっていた。
好きな人だから信じたいと思っていた。でもそう簡単にはいかないものだ。
それに……私の愛はこの程度しかないのは信頼性からみて隠せなかった。彼は私のことを信じていた。でも私は彼に劣っている。
別にそれが悔しいとは思ってはいない。ただ単に圭ちゃんに申し訳無いと思っただけだ。
抱き締める手を強く握った。彼はそれに答えるよう握り返してきてくれた。
大きな背中。男の子の背中がこんなに大きいなんて知らなかった。それに逞しい。
圭ちゃんと言う存在は大きすぎた。私の全てに収まりきれないほど大きくそして温かい。優しいぬくもりが体全体に広がってとても安心感を覚える。
こんな圭ちゃんが好きだと思う自分の存在はとても小さくも思えてくる。大きすぎるゆえにそうにしか見えなかった。
「ねぇ…けいちゃん」
いつも通りの声が出せない私に対して圭ちゃんは優しく「ん?」と答えてくれた。その声を聞くだけでなんだか救われた気分になる。とても温かくて優しさに溢れた声だ。
「わたし…は、さ………けいちゃんを…好きに、なって……いい…の?」
何を言っているか自分では判っている。圭ちゃんはきっと呆れるだろうけどそれほど圭ちゃんと私は想いの格差があった。
本当ならここにいるのは私じゃないかもしれない。私が思うにここにいるのはレナが相応しい気がした。でもここにいるのは私だ。でも…それでいいの?
私が欲しいのは……圭ちゃんの言葉。そして本当に想ってくれる愛だ。
「お前、また『私じゃ圭ちゃんに向いてない』なんてお約束なことを思ったんじゃないんだろうな?」
それには反論することは出来なかった。圭ちゃんにとってその質問は耳にたこができることだと知っている。それでも私は…欲しい。
「お願い……圭ちゃん」
圭ちゃんは「仕方ないな」と頭をぽりぽり掻きながら私の手を離した。そしてそのまま私を力の限り抱き締めてくれた。
「け、圭ちゃん…少し」
苦しいと続けようとしたが圭ちゃんの瞳が嫌だと語っているのが判った。私はそれに素直に従った。言い出したのは自分だしこれぐらいわがままを言うことではない。
「魅音の恋愛は魅音の恋愛だ。俺を好きになっちまったらいけない理由なんてないはずだぜ。それにだ…俺は魅音に好きになってもらっても何も困らない。むしろ大歓迎だぜ」
圭ちゃんらしい激しくて熱い言い方だ。でも素直で純粋に私を受け入れてくれる優しさが今の私にはとても心地いい。
「魅音が俺を好きなんなら…それでいいじゃねぇか。魅音は魅音。一人の可愛い…女の子…なんだから、な」
曲がらない言葉。圭ちゃんは自分が思うことを素直に言ってくれた。それがどこに行っても体験できない喜びであり何者にも帰られない大きな魔法だって知っている。
途中から恥ずかしかったらしく圭ちゃんはまた頭をポリポリと掻いた。私も恥ずかしくて圭ちゃんに抱きついて胸に顔を埋めた。きっとお互いに顔が真っ赤なんだろう。
不意に流れた風が冷たくて火照った顔に心地よかった。




流れる雲と赤い空。青かった空も今はもう遥か彼方だ。
一緒にいる時間はどうしてこうも短いのだろうか。時間が確実に流れていることは判る。しかし楽しいことはこうもあっという間に感じてしまうものはどうしようもなく残念なものだと思う。でもあっという間だからこそまた同じことがあれば楽しいと感じられる。
結局は何もしなかった。ただ二人で雛見沢を歩くだけ歩くだけ。それだけだった。なのに俺はとても満足している。
…それは魅音も同じだと俺は願いたい。だって……一緒にいるだけで楽しかったと感じられたらどれだけ幸せな時間を過ごしてきたか計り知れない。それに、二人で一緒の気持ちだったらどれだけ…。
「魅音…楽しかったか?」
堪えきれない笑みで彼女に問うと彼女も負けないぐらいの笑みで頷いてくれた。それだけで救われた気がした。
こんなデートもデートと呼ぶに相応しいだろう。いや楽しみあえばデートと呼んでいいものだろう。
「また…こんな風に楽しめるといいな」
「楽しめるじゃないでしょ。次はもっと楽しもうよ。ねっ?」
小首をかしげる魅音に俺は頷いた。
そうだな。こんな日々を手に入れたんだ。ずっとずっと楽しく過ごしていきたい。
仲間たちがくれた幸せを俺は魅音にあげなくてはいけない。それが支えとなるのなら俺はどんなことにも全力で取り組んでいく。命を…かけて。
「でも…浪人したら会えなくなっちゃうね」
一気に魅音のトーンが落ちた。その気持ちはわからなくもない。俺だって思い出したら辛い。何日も会えずに顔を見ることがないのは想像しただけで胸が締め付けられる。それは俺だけじゃなくて魅音も同じはずだ。だから辛いのだろう。
そんな彼女を慰めることができるのは俺しかいない。
「魅音…」
夕焼けと影二つ。音を立てずに影は一つに交わった。
………
「キス…しちゃったね」
「………ああ」
恥ずかしい。しかしそれと同時に嬉しいとも思えた。本当に戻ってこれたと実感できる自分がここにはいた。ずっと自分を見失って今更だが見つけた本当の自分。だが過去のことばかり見てもしょうがない。今はこの先のこと・そして今を大事にしていくことが一番大切なんだから。
「…ねぇ…一つだけ付き合ってもらいたい場所があるの」
「ああ。構わないがどこなんだ?」
「私の決意の場所でお気に入りの場所。きっと圭ちゃんもお気に入りの場所だと思うよ。ここからそれほど遠くないから最後に今日はそこに行きたいんだけど………いいかな?」
魅音がお願いしてきたのは今日が初めてだ。もちろん俺は頷く。
少しでも長くいたい。そんな自分の欲望とは違った想いが少しだけ混じってはいた。
「ありがとう、圭ちゃん」
穏やかに微笑む彼女と夕日がとても綺麗だった。




この階段を登るのは好きでもあって嫌いでもあった。
登りきった後に待っている夕日に期待できるから好き。
夕日を見るまでが長いから嫌い。
長所も短所も同じような部分を指しているがそれは気分にもよるものだ。ちなみに今の私は好きの方である。
「ここの階段長いよな~。今もあまりなれないな」
「はは…圭ちゃんやわだな。これぐらい慣れようよ」
心の底から笑えることが嬉しくてしょうがない。こんなにも心が満たされることを彼は取り戻してくれた。
やっぱり私は彼が好きだ。好きで好きでしょうがないや。
「…?どうしたのさ。何か私の顔についてる?」
圭ちゃんの視線に気づき焦りながら訊くと首を横に振った。しかし何故微笑んでいるのかよくわからず小首を傾げた。
「何さ」と念押しして言うと、
「魅音の笑顔がこんなに眩しいって思っちまったらさ。なんだか笑いが堪えきれなくて」
などと恥ずかしいことをはっきりと言った。
私は恥ずかしさのあまり圭ちゃんから顔を逸らした。
「……バカァ」
口元から零れたのはやっぱりそんな言葉だった。恥ずかしいのにあっさり言う彼に少しだけ負けた気がして悔しかった。
優しかった夕日も少しずつ明るさを増していく。私は一足先に頂上についた。理由は恥ずかしいから。
真っ赤になった顔を見られるなんて恥ずかしい以外の何者でもない。
圭ちゃんも遅れてくると私は一足先に柵の前に立った。
「夕日、綺麗だな…それに村も」
「うん。凄い綺麗だよね……この光景」
ここからの光景は私は大好きだった。
空は沈みかけの夕日が山と空に綺麗に混じってとても綺麗だ。その下にある私たちの村がそれに照られされて幻想さも増す。それはもう芸術の域に入っているだろう。
私が思うにこれは世界で一番綺麗な場所だと思う。こんな光景…何者にも帰られない。
「やっぱりこの村はいい場所だな。凄い綺麗だし…温かい」
「そうだね。私は外の世界に出たことはないけど、きっとここはどの世界よりも綺麗で温かい場所だと思うな」
それは自分がこの村が好きだからだけではない。本当に綺麗で温かいと心の底で思っている。
私はあと1週間ぐらいでここを去る。そして知らない外の世界へと向かうだろう。そこで違う温かさと綺麗な光景をたくさん見るかもしれない。でもここだけは1番であると私は思う。
「東京じゃビルやマンション、家だらけだった。夕日もビルに隠れちまって少台無しになってたのをよく覚えてる。でもさ、ここだと全て見れる。なんだか田舎って感じ丸出しだけどな」
「そりゃあ田舎だからね。隣の興宮だってビルというには乏しいものばかりじゃん。それと東京を比べるのは大違いだろうね」
「確かに。興宮で一番大きくても4階が限界だろうな。そう考えるとここは世界の断片みたいだな」
「断片、か…」
断片といわれてイメージしてしまったのは仲間はずれ。カケラと似たようなものだけど何かがないと再起しないもの。
「断片ってさ、単体だと機能しないじゃん。あんまりそう言った言い方は好きじゃないな」
そうかと肩を落とす圭ちゃんに少しだけ罪悪感を覚えた。でも好きにはなれないんだからしょうがない。雛見沢をそう思ってはもらいたくないのが私の本心だから。
「でも、一つだけ。一つだけ確信して言えることがある」
開き直った声で圭ちゃんは私を見た。その目には熱い何かが宿っていたのが察することが出来た。
「何…?」
「ここに来て魅音に会えた。ここは……運命の場所だった」
「運命の場所、か………そうかもね」
それには納得できた。
ここは圭ちゃんとの運命の場所。そんなロマンチックなことになんだか笑えてしまう。
だけど、笑わないことにした。圭ちゃんの想いは…正直なものだった。
「それじゃあ、私が圭ちゃんを好きになるのは運命だったのかな?」
そんな質問に圭ちゃんは「さあ?」と言う。
「運命なんて信じてない。だからそれとは違う………赤い糸とかに近い感じかな」
「赤い糸ね。まあ…そっちの方が夢があっていいかも」
ロマンチストみたいな口振りだがこれは口先の魔術なんだろうか?
………きっと違うと思う。これは圭ちゃんの本心。それを上手く言葉にまとめただけで魔術も何もない。ただ真っ直ぐな想いだ。
「糸は結ばれるんだよね。だったら…」
顔を一気に圭ちゃんに近づけた。一瞬驚きで引いたがすぐに私の顔を逸らさずに見てくれた。だから私も恥ずかしさに耐えて圭ちゃんの顔を逸らさずに見た。
「私がすること……わかる?」
瞼を閉じた。静かな吐息同士がぶつかり合って圭ちゃんが近くにいることが感じられた。
残り少ない時間。純粋に感じる想いはただ一つ。


あなたが……好きです。

第4章



3部目が終わった。時間足らずでカットしたけど終わった^^:
次が最大の見せ場、卒業式です。ここが一番力を入れる場所です。
まだこれからですよ!!!!!
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コメント

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ほんとにいいな~
特にラストの会話、ピッタリですよ!

感想

読ませて貰いました。
絆と本来の繋がり、二人の立ち位置を取り戻した、圭一さんと魅音さん。
二人が手を繋いで過ごした短い様な切ない様なひととき。
二人の運命を包む淡くて切ない"赤い糸"、世界の断片の場所で二人は口付けを交わす。
二人のこれからの未来に誓いを建てる様な紅くて暖かい口付けを。
未来が開く夕焼けの空の様にすがすがしく。

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中二病の同人大好きな変態。アニメよりゲーム派。
07th作品はうみねこよりもひぐらし。
いまだに圭魅が大好き主張は変わらず。
創作活動は別館で進行中。

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