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情尽し編 其の五 責任

2008–04–20 (Sun) 23:02
もう暗すぎですorz
ですが、ギリギリ半分も行っていない。終わるのは一体何時になるんだか(涙)



カーテンを開けた先は真っ黒な空と小さな輝きを放つ月があった。
静か。だが逆に静かすぎて頭がおかしくなりそうだ。
時刻はもう2時になろうとしていた。
「…………」
溜息も出ない。それで息をしているかも不安になる。
心理状態が一方的に真っ黒に染まり嫌なことばかりが頭を過ぎった。
全て…今日と言う運命の日が何もかもを狂わせ、開けては戻れない扉のドアノブに手を伸ばそうとしていた。
「……その…ざき」
肝心の名前も意識的に言うのを躊躇った。喉から放たれる音を俺は強引に飲み込み頭の中だけで全てを決めようと意識的に声を封印した。
「………………」
気づいては…いない。だが薄々わかった。いやわかっていたが見てみないふりをしていた。
逃げるために…罪の……。
事件が終わってみんなの意識が俺に集中していたのは最近になって気づいた。みんなは何かあるごとに俺に引っ掛け自分をアピールしてきた。あの頃の俺はみんなと愉しむだけしかなかった。だから思い出だけを胸に秘めそれ以外のことは考えないようにしてきた。それは、嫌な思い出にしないための、言うなら現実逃避に近いものだ。
でも…今考えるととても簡単でとても見つかりにくいものだったと感じている。
俺と言う男が一人に対して、女の子はたくさん周りにいた。男友達なんて冨田くんや岡村くん、あとは亀…いやあれは論外、か。
そんな子達と俺を比べたら圧倒的に俺に意識を集中してしまうのは周りから見れば一目瞭然だ。だから…俺は気づかなかった。
すぐ目の前にあるものに気づかないのと同じように、みんなの好意に気づくのは俺にとってはかなり難しかった。
だが…今日で悟った。みんなの想いを…。
「……………はは、鈍感ってこう言ったことなのか」
そう…みんな俺のことが―――――。
「違う。あいつらは仲間だ」
…えっ???
今の言葉は自分の意志とは関係のない言葉だった。反射的に俺はそれの拒絶し仲間とだけを見た。
違う。気づいていただろう俺。
「みんなは仲間。それだけだ」
だから違う!!!あいつらは。
「罪を……忘れたのか俺」
……………………。
赤の他人と話していた会話はそこで一つの結末を迎えた。
そうか……俺は…。
そこで判った。俺は…気づいてはいけない。ただ仲間だと思うしかない。
前に……そう、決めたから。
「あいつらが恋なんて…するわけがない」
あっさりと屈した…というのがいい表現なのだろう。
だがこれは俺の問題だ。いくらこのことで魅音が苦しもうが…俺には。
「…無力だ」
それは覆らない真実。そしてこれからも変わらないであろう自分の姿。
あとに残ったのは突き刺すような痛みと晴れないモヤモヤと自分の情けない姿だけだった。




朝になっても俺は何も変わらない。
いつも通りに起きいつも通りに顔を洗い…。
………???
台所に入りその原因がわかった。
「お袋め…こんな時に」
台所にあった一つの机に置手紙と朝飯が真ん中にポツリと残されていた。
弁当は冷蔵庫の中や晩御飯とかなり細かく書いてあった。そして手紙によるとどうやら当分の間帰ってこないらしい。早くて3日後。帰ってくる前日の日に電話するだけと書いてあるが少なくとも3日間は俺一人で生きていかなければならないらしい。
「まったく。子供の気持ちも知らず」
ただ俺が家事が出来ないだけなのだが…。
だがこれは不幸中の幸いだったと少しだけ思えた。
「とりあえず、朝飯を」
食おう、とはいえず俺はその場に跪いた。
妙に身体が重い。頭も痛いし熱っぽい気がした。
「クソ…こんな時に夏風邪かよ」
愚痴を零しても何も変わらないと知りながらも愚痴った。それで気分が優れるとかそんなものは皆無だが言ってしまうのが俺という人間だ。
「少なくとも……薬だけでも飲むか」
台所を抜け居間へと向かった。壁に大きい棚がある。そこの奥から薬を取り出しもう一度台所に戻った。
「ッ……ふらふらするぜ」
歩くごとに倒れてしまいそうになる。だがなんとか倒れるようなことにはならない。
壁を支えにしながらコップに一杯半の水を注いだ。
「えっと……2錠、だったよな?」
薄ら薄らの記憶を頼りに2錠取り出し強引に口に入れ水で無理矢理に押し込んだ。
ゴクッと喉が鳴り、飲み込んだことを確認すると身体から一気に力が抜けた。
「くっ…薬如きで安心なんて」
抜けたことでその場に座り込んでしまったがすぐに体を持ち上げ2階で寝ようと廊下に出ようとした時。
「そう言えば…そろそろレナが来るな」
少なくとも親たちがいない今、休むなら電話をしなくてはいけない。だが時期に来るレナに休むことを伝る方が面倒を無くせる。
少し…ソファーで転がってるか。
それでも少しは違う。病人は寝ることが一番いい薬だ。それに…ここなら色々と楽だから。



「そっか。じゃあすぐに寝るようにね」
「ああ。すまないな」
壁に縺れながらレナに休むことを伝えた。親がいないことを察しているレナはすぐに寝ることを促したが、一つだけ…聞いておきたい。
「レナ…魅音は…」
レナは鋭い。それ以上は言わないでと瞳で俺に合図した。そして、決めていたようにすぐに答えた。
「来ないよ。魅ぃちゃん、あれで相当弱いからさ」
「…よ、わい??」
その言葉に怒りを感じたのか。レナは俺を鋭い眼差しで睨みつけた。
「圭一くん。魅ぃちゃんも女の子なんだよ?それぐらい、言わなくてもわかってるよね」
「……………」
情けないことに俺は頷くことは出来なかった。理由はとても単純でくだらない。
「男友達だった魅音を…すぐに女の子と意識は、出来ないよ」
「…………」
レナに怒られると思ったが納得したように頷いた。しかし怒られるよりそっちの方が色々な意味で痛かった。
「情けないよ。俺は……答えを知ってるけど、答えられない」
レナはどうしてと頭を傾げ、瞳で俺を促した。
「俺は……分からないから」
「……そっか」
納得したようにレナは背を向け玄関の戸を開けた。この言葉でもう十分だったのだろう。
しかし、レナは戸を開けて出ようとした瞬間、こんなことを言った。
「圭一くんは…好き、なの?」
背中からまっすぐに俺に向けて強い意志で投げ込まれた。俺はそれに素直に答えた。わからない、と。




気分ははっきり言うと人生の中で1、2番目に入るほど最悪。
「もう、いいんですか?」
「うん。とりあえず、今日も学校に行くよ」
早朝。まだ5時にもなっていない時間帯に私たちは起きた。
自分の部屋の畳の上に座りながら私は鞄に荷物を入れて学校に行く準備をしていた。
「詩音、心配性だね。なんだか詩音らしくないよ」
「お姉…」
空元気だ。あくまで元気に見せようとしたが逆にそれが悪い方向にもって行ってしまったのは私にもわかっていた。
「とりあえず、決めたから」
今日、圭ちゃんに会うことは決して避けられない。きっと圭ちゃんは学校に来るはずだ。
だから言おう。心配させてごめん、って。
「昔から、無理ばかりですね」
詩音がこんなに心配してくれたのは何年ぶりだろうか。記憶を探ってすぐに出るものではないがかなり懐かしい気がしていた。
「お姉は…告白なんて―――」
「……さぁね。少なくてもあの鈍感な圭ちゃんもここまで来るとわかっちゃてるはずだよ」
「だったら…」
「だけど、私のせいで迷惑ばかりかけたんだよ。多分、嫌われちゃってる。たとえ嫌われていなくても、言えないよ」
これは責任。私がどれだけ圭ちゃんと言う男の子を傷つけたなどわかるわけもないし、わかりたくもないのが本心だ。
人の痛みを嫌うのは人としておかしいことではない。人の苦しみを共有したいのだが、知るのは理論的にはまずは不可能だ。それに知ることがどれだけ辛いかは私は多少だが理解している。だから私は知りたくない。だが…知らなくてはいけないときもある。
「圭ちゃんの痛みは私の責任だよ。全部全部私が与えた苦しみ。詩音には…わかる?」
「多少…。ですが今のお姉がそんなことしたら」
「うん。また昨日みたいになって…今度は立ち直れないと思う」
これは予想ではなく断定。だが人の苦しみを解き放つことが唯一の打開策なのは見えていた。
「そんなわけ…」
「詩音にはわかるよね。私がどんな人間なのか」
「…………」
「好き…だから」
詩音は納得してしまったことを悔やみ下唇を噛んだ。私の気持ちは詩音にはわかっている。
悟史を愛している詩音。圭ちゃんを愛している私こと魅音。
この二人はどんなものを犠牲にしても、愛しい人に全力を尽くせる。それは私たちが双子だから理解できる感情であり、難点であった。
「圭ちゃんにあんなことを…言われても?」
「うん。デリカシーがないのは知ってるし、男っぽく生きてきたのは私の責任だから」
詩音は何も言わなかった。しかし、わかってましたと瞳で言った。私にはそれで十分だった。
「だから、好きな人を苦しめたくない」
「……………………」
「それだけが、考えて導き出した答え」
そして………。
「なんで…圭ちゃんなんですか?」
「忘れちゃったよ。知らない間に好きになって、自分での信じられないほど大好きになった」




目が覚めたのは正午寸前の時間だった。
今日は多少雲が目立つが雨は降りそうにない普通の天気だった。
こんな日は外で遊ぶのが1番、なんて言われたことがあるが外に出る気なんて満更ない。
別に外で遊ぶことが嫌いなわけではない。俺としては外で遊ぶのはすごく楽しい。
ならなんで出る気がないかって?風邪だからって言うのものあるが、1番の理由は…。
一応、チェーンもつけたしレナに言っておいたから大丈夫だろう。
今日はもう、誰とも会う気も誰とも話す気はない。
電話も留守電にしておき窓も閉めておいた。
そうだ。ここはもう俺だけの家になった。ただ一人の悲しい家。
だがそれはそれでいいものもあった。
何か…食っておくか。
そう思い体を持ち上げ階段を下りていく。やはり薬を飲んだあとに寝ると回復力はそれなりにあった。
さっきよりは頭痛は抑えられ足もよくなっていた。
しかし、どうして夏風邪なんて…。
記憶の中では初めての出来事だ。確かに風邪は引くがここ何年かは引いていない。
東京時代は風邪で休むなんて言ったことはあるがあれは仮病だ。本当の風邪なんて小学校時代しか記憶にはない。
なんだかおかしい気がしてならない。
健康状態を考えても昨日風邪になる原因なんてありえない。体調管理はまあまあ出来ているほうだ。
……………まさか、な。
台所に入るとそこには冷めて美味しそうではない朝ご飯が無残に放置されていた。
…仕方ない。それに食っておいた方が治るのは早いだろう。
レンジに入れ料理を温める。その間に水分を取ろうと冷蔵庫から、冷やされた麦茶をコップに注いだ。
ゴクッゴクッと一気に飲み干し、もう一杯注ぎそれも一気に飲み干した。
そこで自分がどれだけ汗をかいていたのか、どれだけ喉が渇いていたのかを実感した。
季節は夏だ。こんな季節に眠っていたらそれなりに汗はかくし喉だって渇く。それに夏だからこそ脱水症状には特に気をつけなくてはいけない。
などと夏の注意を考えていると一つ目の料理…というよりもおかずが温められたので次にご飯を温めた。
これじゃあ一人暮らしをしてる都会の男じゃないか。
そんなことを実感させる作業をしながら気分を落ち着かせるためにぼんやりと天井を眺めた。
みんな…何をしてるかな。
そんなことを考えようとしたがすぐに思考を中断し深呼吸をした。
今この話題は自分の中では一番出してはいけない話題だと理性が瞬時に理解してくれたからできた業だった。
結局、そのまま何も考えず朝食を食べた。だが考えないから俺には味覚らしい味覚が感じれなかった。






いじめすぎ、は承知の上ですよ。むしろこれぐらいいじめる作品なんて今後書けるかわからないからこそいじめるだけいじめてますorz
進めにくいストーリー展開に疲れます。大体の結末も未だ見えておらず^^:
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コメント

感想

第伍話、読みました。
悲しいの一言しか、浮かびません。
未だ、心のヒビ割れと崩壊が後を引く魅音さん。
それでも、自分の気持ちの本音を愛しかった人に伝えようとする 妹 にやるせない気持ちで下唇を噛む詩音さん。
以心伝心か、体調を崩す圭一さん。

彼らの行き着く先は、はたして 何処 ?

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影法師さん
>これがリアルと上手くいかないイメージを兼ね備えたものです。
恋愛はうまくいくものではない。とても大変で辛いものだからこそこんなに悲しいのです。

トロイメライ魅ぃさん
>たくさんの人物が絡み合いながらも話は流れになって進んでいく。それがまた悲しさを強くさせる工夫でもあったりします。

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中二病の同人大好きな変態。アニメよりゲーム派。
07th作品はうみねこよりもひぐらし。
いまだに圭魅が大好き主張は変わらず。
創作活動は別館で進行中。

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