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血に染まるアイ

2008–07–21 (Mon) 23:31
目明し編の魅音の心境です。祭具殿に閉じ込められた部分から最後まで思ったことを文章にしてみました。
シリアス。そして短いorz



地下の祭具殿は血に濡れた劇場だった。
匂い、色、空気全てが真っ赤な血で出来ているかと思わせてしまう不気味な阿寒がいるものに感じさせる。
古来から残された由緒正しく闇の世界。外部とは遮断された黒い塊。
今の時代ではあるだけでおかしいと思えてしまうのにこの異常な場所に呪われた姉妹はいた。
「なんでお前なんだ!!!!なんで貴様のような下種なんだ!!!!なんで"詩音"なんだ!!!!!"魅音"は私だ!!!貴様如きに"魅音"と言う名は合わない!!!!」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!!」
「謝ったって遅いんだよゴミ!!!お前などには"園崎"の名も勿体無い」
感情的な声が一気に感情のない声に変わった。
阿寒が身体中を駆け巡り血液が凍ったように冷たくなり体が別物のように冷たくなる。触れている感触や生きている実感も忘れてしまうほど鋭い目つきに"詩音"は恐怖を超えたものを感じた。
「今からお前の名は" "(から)だ。もはや貴様には言葉を書く必要も言う必要もない。そうだろう" "よ」
" "からは妹だった彼女が一瞬別の生き物に見えた。その瞬間に意識が飛びそうになった。
殺気。殺したいというような視線。存在すら否定する瞳。
" "は確実に死への螺旋階段を登っていくことを実感した。
もちろん、最上階には"死"しかないと知っていても…。


運び出されてきたのは村長だった。
"魅音"は村長を痛めつけながら嘆き、怒り、罵倒していく。
"詩音"という真実の名を持っていた" "は何もできずにただ涙していた。
力がないこと。間違えてしまったこと。自分に過ちがあること。
いろいろなこと全てが今の自分への戒め。思考すらも戒めだった。
いっそのこと殺して欲しいと何度も思う。しかし殺してくれない。だからといって死ぬこともできなかった。
「わかってるよね?あんたが死んだら、次に死ぬのはあのよそ者なんだって」
鬼の言葉は"死"よりも恐怖する"魔法"だった。死なんかで逃げるようなことをしたら自分は過ちなんて軽い言葉で済むわけはない。
「そうだ…あんたに存在価値をあげるよ」
牢屋の鍵が開かれ鬼が入り込んでくる。その瞬間に" "は逃げようなんて考えたりはしなかった。
元々無駄だって自覚をしていたのかもしれない。しかしそれとは別の意味でことが動いていた。だがそれを知っているのは本人だけだ。
「おっと、その前に…あんたには服なんてモノは必要ないね」
「あっ…」
そう言うと鬼はあざ笑うかのような表情で彼女の服を破いていく。"ビリビリビリ"と音を立てながら彼女は確実に肌を露出させていくことになる。
しかし彼女は屈辱だとは感じなかった。むしろその程度だったことに安心感すら覚えてしまった。
「そして…下着も」
"ビリビリ"と上も下も破かれ彼女は裸になった。
黒く染まり身体には痣がいくつか目立つ。普段の彼女なら綺麗な身体だっただろうに今の彼女は落ち葉のように色を失い消えていきそうだった。
「汚い汚い。こんなゴミ、燃やしてやりたいよ……それに、この背中!!!」
怒り。鬼は彼女の背中の刺青に蹴りを入れた。
にっくき刺青は鬼にとっては怒りの対象にしかならない。だがそれを知りながらも鬼は彼女を裸にさせた。
「あんたには"死"って言うありがたい贈り物をしてあげるけど…その前に同等の仕事をなさい」
鬼の視線には"死"があった。そして瞳には殺意の塊が蠢いていた。鬼に対して彼女は何も言えずただそれに頷いた。
そして頷いたことを確認すると彼女の跪かせ、自分の片足を一歩差し出した。
「……舐めな」
感情なしの声。恐ろしいほどまで真っ白であとの予測がつかない。
しかし複雑な彼女の心境は彼女は何も言わずにそれに従うことだけを命令してきた。
鬼の足にはハイヒール。汚れで黒くなっていて本来の美しさは消え去ってしまっていた。鬼はそれを綺麗にするようにと彼女へ命令してきた。
彼女は痛々しく思いながら素直に従うしかなかった。それだけが最後の砦だと知っていたから。






沙都子が死に、鬼も去った祭具殿で名前を失った少女は一人涙を流した。
残酷過ぎる現実に目を逸らせないからこそ涙が出てしまう。しかしそれは一つの理由。
もう一つの理由は"姉"への愛情からの涙だった。
ほんの数日前までは仲がよかった姉妹が、いきなり殺す側と殺される側になったのだ。過去に"魅音"と呼ばれた少女がいまや鬼とかし自分を殺そうとしているのだ。
だからこそ少女は涙したのだった。"姉"に殺されることを…。
しかし自分が殺されてしまう恐怖ではない。彼女によって殺されることは"姉"が救われないと考えていたからだった。
姉妹は仲がよくてはいけないと考えていた。だからこそどんな時でも助け合い生きていかなければいけないと考えていた。
しかし、その理論は現実が否定していた。"姉"が"妹"を殺そうとしている。それだけで"妹"は涙が止まらなかった。
彼女はこう、考えていた。
"お姉ちゃんが私を殺したら絶対に後悔する"と。
姉妹の愛もここまできたら歪んでいる。しかし彼女は自分よりも"姉"の心配をしていた。
自分が死んで"姉"が救われるのなら構わない。自分はたくさんの過ちを犯し償えない罰を永遠に受けなくてはいけない。今の自分にとっての幸せは詩音の幸せ。
そんな考えが頭中を駆け巡っていた。しかし薄々"それは叶わない"と気づく自分がいた。
少女は思う。
詩音の幸せだけが私の幸せだ、と。
「………お姉ちゃん……詩音」
涙する少女は今までの彼女とは思えないほど小さな存在だった。




そして、彼女はこれからの"死"を実感した。
着替えさせられたのは数日前まで来ていた浴衣姿。鬼は裸だった。
魅音を戻された少女は何も言わずに鬼に従った。これも彼を救うため…そして、壊れてしまった"姉"を救うためでもあった。
牢に出る瞬間、彼女は心の中で呟いた。
……圭ちゃん、好きだったよ。
あまりにも悲しい告白。しかしこの言葉を聞くことはもうない。胸に痛みが走るが詩音が鬼になった時よりも痛くはない。
魅音は自分の運命を理解していた。だがそれも最後まで"詩音"として"姉"である"魅音”を気にかけた。
殺される…殺される…殺される…!!!
脳が訴えかけてくるが恐怖はない。むしろ、気が楽になっていた。
それから言われた通りにした。小さくて愚かな願いを思いながらも。
そして……彼女は諦めた。
首元に突きつけられたスタンガン。紛れもない本当の死を……実感した。
突きつけられる言葉はどれも殺意そのもの。それに対して魅音は自分が何を言っているかもわからなかった。それほどまで詩音の身を案じていた。
最後の最後、死ぬとわかっていながらも最後の愛情を"姉"へと捧げる。
彼女は念じていた。
――殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで殺さないで!!!
救いを求めたのではない。ただ、"幸せ"を求めていた。
魅音はこうとも考えていた。
"このまま手を離して自殺してしまえばお姉ちゃんは救われるのではないか"とも。
歪んだ愛情は最後まで"姉"のことだけを。最愛の"姉"のことだけを。
だから……彼女は思った。
―――なんで私たちは不幸な目にあってしまったのだろう。
―――私たちはただ仲のいい姉妹のはずだったのに、どこで間違えてしまったのだろう。
そして、最後の彼女の想いは…
―――わたしが生まれてこなければ、お姉ちゃんは幸せになれたんじゃないかな。
"姉"にはもう届かない想い。彼女の愛情は…最後まで見つかることはなかった。





…………あと味の悪さは折り紙つきだったな~。目明し編の魅音がこんな感じで詩音を思ってたらな~って思って書いたんですが………ごめんなさいm(_ _)m 怒られそう(〒_〒)
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コメント

感想

酷く悲しい結末ですね。
詩音(魅音)さんの想いは届かず、魅音(詩音)さんの憎しみは癒える事はもう二度と無い。

もう、魅音と詩音が可愛そうすぎて…。二人とも過ちを正すことはもうできないのでしょうか。 

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影法師さん
>目明しは救いのない話だと思ってますので、こんな救いのない話になってしまったのでしょう。それだから目明し編は好きになれないんだよぬぇ~(知るか

鉄さん
>無理です(即答!!! でも、他の世界でなんとか…

魅ぃさん
>澪尽しが少し入っているからこそここまで愛情があったのかもしれませんね(今更何を
姉妹は仲が良くなくちゃ……これは悲しすぎましたか(泣

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中二病の同人大好きな変態。アニメよりゲーム派。
07th作品はうみねこよりもひぐらし。
いまだに圭魅が大好き主張は変わらず。
創作活動は別館で進行中。

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