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私だけのもの!!!

2008–12–31 (Wed) 23:44
告白ものです。
2008年の閉めは見ていてニヤリとしてしまう、ほのぼのなお話です。



「私、悟史くんのことが好きですッ!!」
とてもいい言葉だと思えるであろう。しかしそれがちゃんとした効果が発揮されるのはーーー
「あ……えっとー」
「だめじゃないですか!!!ちゃんと次の台詞を言わないと進まないじゃないですか!!!!」
「いや、そうは…言われても」
圭一は反省の色を浮かべながら詩音に謝った。
詩音はイライラしながら「もう一回」とやり直しを命じた。それに圭一は反論できずに頷くしかなかった。


「もうッ!!!ダメダメですね圭ちゃん。これじゃあ練習にならないじゃないですか」
「そうか?充分練習になっている気がするんだが」
「いいえ。ちゃんと最後まで言ってくれないと練習にならないじゃないですか」
詩音の熱心な言葉に圭一は心の中で苦笑いした。
熱心になる理由。それは圭一にもわかっているつもりだ。
好きな相手への告白。女の子だけではなく自分、男の子にもそれはありえることは小説の中で読んだことがある。圭一自身にはまだそんな経験はないが世の中にはそんなこともあるのだなくらいは頭で理解していた。
しかしいざ現実になってみるとかなりの労力と恥ずかしさがあるものだ。たとえそれが他人だとしても自然とその熱意に影響されてしまう。
迷惑とは思っていないがキツイとは思っていた。だが頼まれたからには断ることが出来なかった。
「だけど練習としては”好き〟と伝えることが一番重要じゃないか?なら最初の台詞でもう充分だろう」
「いえ、そうとは限りません。伝えられた子が鈍い人だった場合”友達〟の意味で捉えてしまうこともありますし何より告白というのはそこまでが重要なんですよ。って圭ちゃんに言っても無駄ですね」
「…反論したいのだが、そうとは考えてなかったから反論が出来ん」
「はぁーーーー」
その横では魅音が呆れながら見物していた。
「お姉!!何ため息ついてるんですか!!」
「なんであたしにキレるのよ。しかもここ、あたしの部屋だし」
「それとこれとは話が別です!!あーーイライラしますね」
珍しく詩音はイライラしていた。圭一には初めて見る姿で驚きと戸惑いがあるが魅音は見慣れているのであまり気にならない。
ただ自分の部屋でやってもらいたくないものだ、と思っていた。
「少し休憩します。お姉、麦茶!」
今にも暴れだしそうな妹に姉は麦茶を渡した。
呆れる以上にいい迷惑とも思ってしまうが、詩音が真面目である以上そんなことは言えるわけなんてなかった。
「はい。圭ちゃんにも麦茶」
「ああ。恩にきる」
圭一も魅音から麦茶をもらうと小さく深呼吸をし気持ちをリラックスさせた。
「本当に疲れるな。告白される側がこんなに大変だなんてしらなかったぜ」
「告白なんてそんなものですよ。自分も相手もドキドキしたままですから自然と疲れが溜まっていきますよ。それに、初めての経験というのもありますしね」
「そうだな。告白なんてそうそう受けるものじゃないよな」
その言葉に詩音はちらりと魅音を見た。
その魅音は苦笑いしながら拳に力を入れていた。
「確かにそうだよね~おじさんになんかありえない話だよね。あはは、あはははは」
無理な笑みを作りながら盛大に笑ってみせる魅音。
それに今度は詩音がため息をつき頭を抑えた。
「ん?どうしたんだ詩音。頭痛でもするのか?」
「いえ、呆れて何も言えなかっただけです」
「???」
圭一は頭をかしげた。また魅音はわかったようなわからないような苦笑いをした。
「これじゃあ、練習をする気にもなれませんね……ブツブツ」
あまりのことに詩音はやる気を失いかけていた。それを知らずに二人はゆったりとした時間を過ごしていた。
ふと、詩音は二人を見て考えた。
やる気を失ったというのに対し二人は楽しそうに話に花を咲かせていた。だが話す内容はくだらない内容のものばかり。
昨日の野球、熱かったよな…とか。
次の部活は何で盛り上がろうか…とか。
あのマンガ、面白いよな…とか。
まるで男の子同士が話しているような会話だ。これが好きな相手との会話なのだから余計に呆れた。
もっと、女の子の話題をもっていけないのか、とツッコミたくなるがやめておく。
「これで恋人同士になったらどうなるのでしょうかね……ブツブツ」
簡単な話を考えてみる。
魅音が圭一に告白されたらどうなるだろう?
何も言えずにおろおろする圭一の姿。
恥ずかしさのあまり床に視線を向ける魅音の姿。
あまりにも王道すぎて面白味がない。しかもこの光景が現実にくるかも微妙なところだ。
王道の告白……告白……あ、これ使えるかも。
ぱっとある考えた浮かんだ、きっと、面白いことになるであろうとすぐに思いその考えを頭の中で整理してみた。




「ねぇ、圭ちゃん」
詩音に声をかけられる圭一。
「ん…?どうした。続きか」
それに単純な言葉を返す圭一。
「私、実は言いたいことがあるんです」
「なんだよ……って!!!」
突然、詩音に顔を引き寄せられた。
そして、少し動いたら唇があたりそうな位置で止まる。それに膠着したのは圭一と魅音だけ。一方の詩音は圭一の顔を離さずその位置を保ち続けた。
「し、し…おん……?」
「私、本当は圭ちゃんのことが好きなんです」
「「なッ???!!!」」
圭一だけではなく魅音も驚いた。
頭を硬い何か、ハンマーのようなもので叩かれたような気がした。それから視界が一瞬歪み、体中がドキドキで熱くなっていく。興奮ではなく恥ずかしさに近い感情。声も出せず動けもしない。
その中で唯一、詩音だけが動けた。
「悟史くんとの告白を口実に…本当は圭ちゃんの前で告白したかったんです。ごめんなさい」
「あ、いや………その、えっと……」
「だから圭ちゃん。私と…園崎詩音と付き合ってください」
ここでの圭一の選択肢は三つ。
一つ、好きと言って付き合う。
二つ、付き合えないとだけ言う。
三つ、考えたいといって待ってもらう。
「あ……ん~……そのだな……詩音」
「はい」
まっすぐな視線。いつもは見れるはずなのに今は見ることもままならない。それに見られているとわかるとドキドキしてそれが止まなくなる。
俺は……どうすればいい?
予想外の相手。しかも好きな人がいると言っときながら相手を変えて俺とは…。
圭一は頭の中で考えを整理してーーーー。
仕方ない。こういうしかないか。
「詩音、その…俺は……俺は」
覚悟を決め、圭一はその言葉を口に出す。








「ダメーーーーーー!!!!!!!」
とした瞬間、いきなり抱きしめられた。しかも引き寄せられて柔らかい感触のおまけ付きで。
「圭ちゃんは私だけのもの!!!!詩音になんかあげないし渡さない!!!」
断言する魅音、表情を変えない詩音、何がなんだかわからない圭一。
しかし圭一はなんとなくだが理解した。
ああ、魅音のやつ意地になってやがる。
「でもなんでですか?お姉は圭ちゃんのことを友達としか思っていないんじゃないんですか?最高のライバルじゃないですか?」
「それとこれとは別なの!!!それに私だって圭ちゃんのことが好きなの大好きなの!!!!世界の誰よりも好きなの!!!」
………えっと……これは、芝居……じゃ、ないんだよな?
圭一はこれが現実だとわからなくなってきた。
これ、夢か?…女の子二人から”好き〟だなんて……マンガじゃあるまいし…出来すぎているような…気が…。
「お姉。本気でそう思っているの?」
「本気も本気だよ!!!こんなこと嘘で言えるわけないじゃん!!!!それに好きなひとにこんな嘘つけるわけないじゃん!!!!」
「………マジ、か」
頭が真っ白になった。そして、言葉に表せない不思議な気持ち。
「くっくっく……あはははは、あははははははははははは」
「ど、どうしたの???!!!…”くけけけけ〟じゃなくて”あはははは〟で笑って」
いや、そこじゃないだろう。
こんな状況なのにつっかまずにはいられない。反射的なツッコミを言う圭一とは対照的に詩音は冷静だった。
「言ったね!!!好きって言ったね!!!本気って言ったね!!!!嘘じゃないって言ったね!!!」
「あっ!!!……あああああ!!!!!!!」
「くっくっく。ほらほら向き合って。早くお姉の告白に答えないと」
詩音に言われ圭一は魅音と向き合う形になった。
そして、自然と二人の視線はぶつかり合い何もいえなくなった。
「これは面白いですね。こんな恥ずかしい告白そうそうありませんよ」
誰のせいだよ。
誰のせいよ。
二人はツッコミながらも次に何をすればいいかわからずにいた。
見ていて恥ずかしい告白。しかし初々しく戸惑う姿は詩音には喜劇に見えた。
「お姉!!!もう一回ちゃんと言わないと伝わりませんよ」
「も、もう一回!!!………えっと、言うーーー」
「言うんです!!!言わないと本当に圭ちゃんをもらいますよ!!!!」
詩音の目は本気だった。まるで獲物を狙うような視線と不敵な笑み。
「う~~~~わかったよ」
魅音は素直に従うしかなかった。
「い、一回だけしか言わないから……」
「あ、ああ…わかった」
「わたしは……わたしは…圭ちゃん…けい、ちゃん……圭ちゃん、が………」




それは一つの恋の終わり
そして、一つの恋の始まり





妄想を文章化する。それが私の話の源。
きれいにまとまった話です。奥深くも出来ましたがこれでかなり満足です。
特に、健気ね魅音は書いててよかった♪
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中二病の同人大好きな変態。アニメよりゲーム派。
07th作品はうみねこよりもひぐらし。
いまだに圭魅が大好き主張は変わらず。
創作活動は別館で進行中。

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