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運命の聖夜

2007–06–24 (Sun) 00:33
今年は今日が綿流しの日。うみねこに変わるので最後の綿流しになるとか・・・
最初で最後の綿流しに、綿流し祭の圭魅を書きたいと思います。
この話は連載に並ぶほどのかなり完成度が高い話です。長さとしてはいつも書いているものの倍です。
ぜひとも、この話を楽しんで頂きたい。

雛見沢には6月に綿流しというお祭がある。
まさに今日がその綿流しの日だ。
俺、前原圭一は今日という日をどれだけ楽しみにしたか。
「圭一、そろそろ時間よ」
お袋の言葉に言われ時間を見る。
今回、俺はこの祭でオークションの司会を任された。何でも俺の口先が村の住人に認められ、そのことから司会に抜擢された。
人の前で話すことは苦手ではないが、大勢でしかも期待のする目で見られていたらと少し緊張する。だがここまで来たらやるしかないか。
「分かってる」
俺はそう言いながら階段を下り玄関で靴に履く。
「そう言えば、母さんや父さんは行くの?」
お袋は、祭だと言うのに何も準備もしていない。そんなことが気になりお袋に聞いてみた。
「多分ね。お父さんは昨日大変だったからまだ寝てるけど、起きたら二人で行く気よ」
「ふ~~~ん」
その答えを聞いて俺は玄関の戸を開けた。
「それじゃあ、行ってきます!!!」
元気な声で俺は祭が行われる、古手神社へと向かった。

オレンジ色の日が空を照らし、ひぐらしたちがなく中を俺は古手神社に向かっていた。
古手神社に近づけば近づくほど人が多く見られ、祭の音が聞こえた。
そして俺の目に階段が映ってきた。
そろそろか・・・少し早い気がするが
そう思い腕にしている時計を見た。案の定、予定より20分くらい早く来てしまった。これならレナでも連れてくればよかったと思った。
階段の前で突っ立ってるわけにもいかないので俺は少し暇潰しに祭りを回ろうと思い、階段をのぼった。

階段をのぼりきった後の風景は絶大だった。
神社には雛見沢に着て今まで見た事のない数の人がいた。それほどこの祭を楽しみにしている人が多いと見える。
そう思うとさっきより期待感が持てた。
「よし!行くか」
俺は自分にそう言って祭りの売店エリアに入っていった。
売店でまず目についたのはたこ焼き屋。
香ばしい匂いに誘われ俺はついつい一つ買ってしまった。
でも、一人で食べきることはできるがどうも寂しい。
誰かいないかな、と思い当たりを見回すと一人の浴衣姿の少女に目をやった。
あれ・・・どっかで見たことある気が・・・・
考えても仕方がなかったので俺はその少女に近づく。
見覚えのあるスタイル、見覚えのある髪型、見覚えのある顔。
まさか・・・・?
俺はその少女に後ろから肩を叩いた。
「よお、元気か?」
「きゃあ・・・・圭ちゃん」
どうやらいきなり肩を叩かれて驚いたようだ。
「えっと・・・・魅音?」
「そ・・そうだけど・・・」
やはり。この場に居合わすのは祭の実行委員である魅音しかありえない。でも浴衣姿でいたことは驚く。
「祭だからって浴衣でも着てきたのか?」
「えっと・・そんなところだけど・・・・似合う?」
魅音は顔を赤くしながら俺に問い掛けた。
「ああ。似合ってるぜ」
そう言って俺は魅音の頭を撫でた。なかなか可愛いと自分の中で思う。
「ふぇ・・・・ありがとう」
どうやら嬉しかったらしく顔を赤くしながら俯いた。
「あっ、そう言えばたこ焼き買ったんだけど一緒に食うか?」
俺は本題を思い出し、たこ焼きを魅音に見せた。
たこ焼きは8つ。ちょうど割り切れる。
「・・・・・・うん」
魅音は小さく頷いた。


それからオークションの打ち合わせをした。と言っても俺はただの客寄せ。ただそれだけをすればいいと言われる。なんだか無駄な時間を過ごした気がする。
打ち合わせが終えるとみんなと合流した。
「あっ、圭一君見つけた」
レナの一言にみんなが集まってきた。
「どこにおりまして?探しましたのですよ?」
「悪いな沙都子。主役は忙しいんだ」
少し自慢げに言う。それに沙都子鼻で笑った。
「笑わせないくださいまし。所詮圭一さんの主役のものなんて高が知れてますわ」
それに俺も鼻で笑った。
「ヘン、オークションを見て俺に惚れるなよ?」
自身満々にいるが少し緊張があった。だが男が決めたことは曲げるわけにはいかない。少しだが気合が入った。
「そう言えば、梨花ちゃんは?」
この場にいるのは俺を除いて、レナ、魅音、沙都子だけ。梨花ちゃんの姿が見当たらなかった。
「ああ、梨花ちゃんは古手神社の巫女さんだから着替えてるよ」
「もう着替え終わったのです」
そんな魅音の説明中に梨花ちゃんがやってきた。
「こんばんはなのです。圭一」
「ああ、こんばんは梨花ちゃん」
巫女姿の梨花ちゃんと笑顔であいさつを交わした。
「それにしても梨花ちゃん。巫女姿、似合ってるぜ」
「ありがとうなのです。にぱ~☆」
今の梨花ちゃんはまさに巫女さん。さすが古手家の党首だ。このあと行う演舞が楽しみになった。
「私の婆っちゃお手製だよ。本格派でしょ」
魅音は得意げに言った。
「なら魅音のその浴衣もお手製か?」
魅音の浴衣もそれなりに高そうに見える。梨花ちゃんがそうなら魅音もそうだと考えてもおかしくないはずだが。
「えっと・・・・・」
魅音は答えようとしなかった。まさか・・・買ったりでもしたのか?
「今圭ちゃんが考えていることは正解です」
その声の方向にに俺は振り向く。
「はろろ~ん!こんにちは皆さん」
「詩音!!何であんたがここに?」
詩音の出現に魅音はすぐさま食いついた。
「いいじゃないですか。私がきちゃいけないわけでもあるんですか?」
「ある!!!たくさんある!!!」
魅音は大いに反発するのをよそに詩音はさっきの俺の問いの続きを答えた。
「圭ちゃん。実はですね、お姉は今日のために浴衣を購入したんですよ」
魅音はそれを言われ顔を赤くした。
「お姉ったら、祭で圭ちゃんに見てもらいたいがために、こんなにいいものを買ったんですよ?」
そう言われ俺は赤くなった。
魅音が・・・・俺のために・・・・?
信じがたい事実だ。魅音はそれだけのためにそんなことをしないやつだから余計信じられない。
「ぅぅ・・・・詩音、嫌い嫌い」
魅音は顔を赤くしながら詩音に言った。もちろん詩音はそんな事は眼中になかった。

「それじゃあ始めようか」
『綿流し5凶爆闘!!!!!』
詩音がどこかへ退散してから、部長・魅音の合図で俺たちは大盛り上がり。
「という事で今日の会場はここだ!!!」
浴衣姿の魅音は指した場所。射的屋。
「おうおう、今回も来たかい」
「へへへ、おっちゃん、ここの景品は全部私たちがもらっていくよ」
「おう、できるならな・・・」
そう言って射的屋のおじさんが指した向こうには
大きなクマのぬいぐるみ・可愛い人形・何かのアニメのぬいぐるみ、と大きいもの揃い。しかも飴とか多い。これはきっと俺たちしか取れないな。
「じゃあ、公平にジャンケンといこうか」
「オーケー、それじゃあ」
『ジャンケン・・・・・・ポン!!』
俺・・・グー
レナ・・・パー
魅音・・・グー
沙都子・・・パー
梨花ちゃん・・・グー
なんだか綺麗に勝敗が分かれたな。出来すぎてないか?

と言うことで順番はこうなった。
1番・・・レナ
2番・・・沙都子
3番・・・魅音
4番・・・俺
5番・・・梨花ちゃん
そして一番手のレナが行く。
「はぅ~~あのぬいぐるみ可愛いよ~~~~!!!」
レナが見ていたのはクマのぬいぐるみ。どうやらそれが可愛いの対象になって覚醒したらしい。弾は3発まで。だがもう決まったな。
「はぅぅ~~~お持ち帰り~~~~!!!!」
そう言って放った弾の次にさらに次の弾、そして最後の弾。ぬいぐるみは最後の弾で落ちた。
3発連続の早撃ちは見事に成功。
「まさかいきなりこれを落とされるとはな」
店のおじさんもこれには脱帽した。
そして次は沙都子。
「おいおい沙都子。トラップが使えないのに取れるのか?」
「圭一さん、私の異名をお忘れですの?」
そう言って余裕をこいて銃を手にする。
「それではあのぬいぐるみでもいきますか」
沙都子はそう言って一発目を放つ。
だが弾は無常にもぬいぐるみを掠めた。普通ならそれで落ちないはず。だがぬいぐるみは倒れた。
そして2発目、3発目も見事に倒れた。
「沙都子、お前どんな手を使ったんだ?」
「あら~、簡単ですわ。ちょっと配置に細工させていただいただけですわ」
どうやらトラップマスターの前では場所もシチュエーションも関係なしか。
そして3番手の魅音。
「じゃあ何にしようかな~~」
そう言いながら今残っている景品を見た。どうやらその目は人形にいったらしい。だが
「今回は確実にいこうかね」
結果は全弾を飴につぎ込んだ。
そして俺の番がやってきた。
さて・・・・どうするか・・・
今残っているのは人形とぬいぐるみがいくつかと飴が少し。
完璧にいくとなると飴を狙うのが一番無難。だがさっきの魅音。きっと欲しかったんだな。よし。
俺のターゲットは人形にした。
すぅーーーーはぁーーーーー。よし
集中力を高め、銃口を人形に向ける。
1発目・・・人形に当たるがぐらつくだけ
2発目・・・人形を掠める
3発目・・・いいところにあたり、落ちた
「圭一君頑張ったね」
レナは俺の健闘を誉めてくれた。他のみんなも言葉では言わないが誉めてくれた。
「ああ・・・渡してやりたいやつがいてな」
そう言って魅音に勢いよく人形を渡した。
「これ・・・欲しかったんだろ?」
「えっ・・・・えっと」
魅音は照れながら俯く。
「俺が取ってやったんだ。大切にしろよ」
そう言って魅音の頭を撫でた。
それから梨花ちゃんの出番が終わるまで魅音は赤くなりながら俯いていた。



「それじゃあ俺は行くぜ」
「僕も演舞があるのでまたあとでなのです」
そう言って圭ちゃんはオークションの会場に、梨花ちゃんは演舞の準備で行ってしまった。
「それでは圭一さんのオークションの方が先ですからそちらに行きましょう」
沙都子が先導しながらレナと私はオークションの会場に向かった。
「はろろ~んお元気、お姉♪」
その道中、詩音はこちらに声をかけてきた。
「あら、なんですか、その人形?」
「ああ・これはさっき圭ちゃんにもらったやつだよ」
そう言って私は人形を握り締める。
「あらあら、圭ちゃんにお人形をもらったと言うことはもういったんですか?」
「ううん、まだ」
私は首を横に振った。
「じゃあなんで圭ちゃんからもらったんですか?」
「多分・・・・親友として・・・・じゃないかな」
圭ちゃんに限って・・・・親友としてそうしたんだ。圭ちゃんは仲間を放って置けないからね。
「はぁ~、じゃあ話を変えますね。それでお姉を今日、言う気ですか?」
そのことに小さく頷く。
「なら後のチャンスは演舞が終わってからですかね」
「そうだね。圭一君はオークションの司会だし、演舞はきっと梨花ちゃんの応援をしてるよ」
詩音とレナにそう言われ私は頷いた。
「では、私たちで二人きりの状態を作るしかありませんね」
「そうだね。魅ぃちゃんのためだしね」
詩音とレナは私のために作戦を練ってくれている。そんなことが私自身の決意を固くした。
そうだ。ここまでやってもらってるんだ。私はしっかりと圭ちゃんに気持ちを伝えなくちゃ。



それからはあっという間に時間が過ぎていった。
オークションはというともう最初の方は緊張のあまりおかしかったが、慣れてくると調子を取り戻しいつものように話すことが出来た。
結果は大成功。全ての品を売って、総額もそれなりだった。
その後の梨花ちゃんの"奉納演舞"というのを見た。というか応援をした。
なかなか迫力があって凄かった。あんなこと大変なことをした梨花ちゃんはまさに100点満点だ。
「圭ちゃん、こっちこっち」
そして今、綿を川に流すと言う作業を行おうとしていた。
「あれ?みんなは?」
魅音に追いつこうとしていたあまりそのことを忘れていた。あたりを見回してもみんなはいなかった。
「大丈夫、大丈夫。あとで合流できるって。見知らぬ土地に来たわけじゃないんだから」
言われてみれば。俺はいいとしてあいつらにはこの場所は庭のようなもの。そんな場所で迷うほどの方向音痴はいない。
「そうだな。あとで会えるしな」
俺は納得しながら魅音の後を追う。
「ここらで良いかな・・・」
魅音はなぜかそんなことを言って川原に下りていく。俺もそれを追って降りた。
そして降りきったところで二人揃って川に綿を流した。
二つの綿はフワフワと離れず川を流れていく。
「これで終わりか・・・」
少し残念そうに魅音は言った。確かに綿を流したらもうやることもない。
「じゃあ、みんなのところに行くか?」
そう言ってもとの場所に戻ろうとした時魅音が引きとめた。
「ねぇ・・・・もう少し一緒にいない?」
照れながら言う魅音が少し可愛い。
俺は小さく頷いた。

二人っきりになるとはどうも緊張するものだ。
目の前に座っているのは浴衣を着た魅音。二人きりになって改めて見るととても綺麗な姿だった。
月に照らされる姿は神秘的だが美しいと言うより可愛いの方があっていた。
そう言えば、みんなの中で浴衣を着ているのは魅音だけだよな。普通なら、女の子ってみんなで見せ合ったりしてるイメージがあるが。
「なあ、他のみんなって祭の時浴衣とか着ないのか?」
「うん、私たちは浴衣なんか普通着ないよ」
なら余計に引っかかる。普通着ないものを魅音は着てきた。それに何か意味があるのか?
俺は今日のことを思い出す。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そう言えば、あの時
"お姉ったら、祭で圭ちゃんに見てもらいたいがために、こんなにいいものを買ったんですよ?"
詩音の言葉が脳裏に蘇った。
魅音が俺に見てもらいたいがためにそこまで・・・。まさかな。俺は魅音から見てそんなやつじゃないしな。
「圭ちゃん」
そんなことを考えていると魅音は俺の名を呼ぶ目の前に立った。
「どうしたんだよ?そんなマジな顔して」
「圭ちゃん・・・・言いたいことがあるの。聞いてくれない?」
魅音は真っ直ぐで透き通る、決意をあらわにした目で俺の目を見た。俺もそんな魅音の目を見た。
「これから言うことは圭ちゃんが望まないかもしれない。でもしっかりと聞いてください」
魅音は目を逸らさずに言った。そして一呼吸置いて
「私はー」



「私はあなた、前原圭一が好きでした!!!!なので私と付き合ってください!!!!」




時間が止まった気がした。
信じられず、驚いた。
そして俺のなかでその言葉が何回も繰り返される。


魅音は未だにこちらの目を見ていた。
俺は・・・返事をしなくてはいけない。
自分の・・・・気持ちを・・・・本当の・・・気持ちを・・・



2ヶ月前、魅音と会ったのはそれくらい前だった。
最初の印象はオヤジくさいやつ。
レナや沙都子、梨花ちゃんに詩音が持っている女の子らしさなんて感じられなかった。
ただの男友達。そんな感じだった。
でも、何時からかだろう?そんな魅音の印象が変わったのは。
何かがきっかけだった。でもその何かが分からなかった。
今もそうだ。告白をされたのに何も言えない。

でも、今日のことで気づいたろ?圭一
お前の中でそんなことはどうでもいいことをな
今大切なのはそんなことじゃない
とっくの昔に気づいてたんだろ?

ああ、わかってるさ。遅すぎたけど今分かったぜ。



「魅音」
まっすぐな目で、さっきの魅音の真似るみたいな目で俺は魅音を見た。

「俺はお前、園崎魅音が好きだったんだ。だから俺からもお願いだ。付き合ってくれ」


自分の出した真実。魅音はそれに涙を流した。
「うん・・・うん。お願いします」
そう言って魅音は抱きついてきた。
「ああ、俺からもお願いします」
俺は魅音の背に手を回しきつく抱きしめる。

それから、二人は目を閉じキスを交わした。



その日の夜、二人は一つの形となった。
それは始まりの夜。
二人の幸せな世界を作るための運命の夜。
その時、ただひぐらしは二人を祝福するかのように鳴きつづけていた・・・







長いお話お疲れ様でした(^^)
今回はこのサイト始まって以来の大作として書かせてもらいました。
いや~~ここまで来るのは大変でした。
製作時間は1週間。修正した数はかなりあります(覚えてません)振り返ってみると物凄い話を書いた気がします(--:)
そんな感じで楽しんでいただけましたか?
ぜひ、なんでもいい感想をくださいまし☆

追記・・・ちゃっかり本家に投稿☆
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Author:キラ
中二病の同人大好きな変態。アニメよりゲーム派。
07th作品はうみねこよりもひぐらし。
いまだに圭魅が大好き主張は変わらず。
創作活動は別館で進行中。

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